KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


国際法制論 (青木 節子

    2003年度秋学期 火曜日1時限
    科目コード: 60200 / 2単位
    カテゴリ: 3.プログラム科目(大学院)


1. 主題と目標/授業の手法など

    グローバル・ガバナンスの観点から、国際法制度を考察するが、その際、中心となる分析道具は国際公法である。主題について理論的枠組を概観すると同時に、具体的にどう運用されているか、実証研究を重視する。
     授業は、講義とケース研究(ケースは英語)からなり、クラスでの積極的かつ的確な議論への参加を評価する。ケースに関連した課題の提出を求め、定期試験は課さない。提出課題の出来と授業への貢献に基づいて成績を決定する。授業への貢献は、出席、議論への参加、発表などを意味する。


2. 教材・参考文献

    授業への携行が望ましい条約集として、大沼保昭・藤田久一編、国際条約集 2003、有斐閣、2003、862p.
    詳しくは、初回の授業において説明するが、全体の参考書として、山本草二、国際法(新版)、有斐閣、1997(奥付補訂)、802p.


3. 授業計画

    第1回 国際社会におけるルール
    国際社会に「法」は存在するのか、という問の意味を考えた上で、国際法の形成と機能を概観する。

    第2回 国際立法の流れ
    国際社会のルール形成方式を考える。国際法制としては新しい分野である宇宙活動に関するルール作成方式を概観する。対比として、海上交通や外交官制度の制度形成をみる。

    第3回 国際組織の発見
    様々な分野の国際ルールづくりの特色を見ながら、国際制度の形成とはなにかを探る。特に、国際行政連合を設定する条約から国際組織という概念の生成を見、国際法人格の拡大のもつ意味を探る。

    第4回 個人と国際法制
    個人の法主体の問題とその発展形態並びに「人間の安全保障」概念と国際法制度のかかわりを検討する。

    第5回 国際組織と国際レジーム
    国際レジームとはどのよなものでいかに機能するのかを、南極制度や環境関係条約制度など具体的な例を用いて探る。また、それらパブリック・レジームとプライベート・レジームの関係や後者の存立基盤からみた現代国際法制の特色を考える。

    第6回 不拡散レジームの実効性評価
    国際レジームの実証研究として、オーストラリアグループ、ワッセナー・アレンジメント、IAEA、NSG、ミサイル技術管理レジームなどからなる不拡散レジーム関連文書規定並びに参加国国内法規定および運用との関係について研究する。

    第7回 国際法制と超大国 (1)
    超大国の存在は、国際法制にどのような影響をもたらすのか。国際法制の源としての国内法という観点から探る。ケースとして、不拡散レジームとの関連も含め、米国の輸出管理法の適用がもたらす問題と法形成機能を調べる。

    第8回 国際内法制と超大国 (2)
    インテルサット、インマルサットという政府間国際衛星通信組織の解散を規定する米国ORBIT法の規定と適用の仕方を調べ、ORBIT法の国際法制に果たした役割を評価する。

    第9回 国境を超える担保法制 (1)
    国際取引を円滑化させるための法制を従来、属地的性格の強固な動産担保制度を例として考える。抵触法の枠組における解決の限界を確認した後、動産担保統一条約の試みを、主として高額な可動物件についての国際的権益統一条約を素材として検証する。

    第10回 国境を超える担保法制 (2)
    高額な可動物件についての国際的権益統一条約(本体条約)と各可動物件(航空機、衛星、鉄道車輌)についての議定書の内容を調べ、高額動産担保統一条約・議定書が米国統一商法典第9章のグローバル・スタンダード化を意味するか否かを評価する。

    第11回 国境を超える担保法制 (3)
    衛星という高額動産のもつ固有の性質に着目しつつ、衛星担保統一議定書が国際宇宙公法と両立するものか、公法上の規制と私法統一規制が抵触する場合はどのような処理が誰によって行われるのか等を考える。また、衛星議定書(案)第16条に規定する救済の制限の範囲を画定し、公法と私法の調和のもとに衛星金融を促進する条件を考える。

    第12回 グローバル・ガバナンスと国連
    グローバル・ガバナンスの概念定義を試みた後、冷戦期およびポスト冷戦期の国連の活動はグローバル・ガバナンスとどういう関係に立つのかを考える。国連自体について考察した後、国連ファミリーについても射程範囲を拡大して検討する。

    第13回 グローバル・ガバナンスと国連ファミリー
    第12回の課題を国連ファミリーの1つである準専門機関国際原子力機関(IAEA)の活動を素材として考察する。イラク問題、北朝鮮問題に焦点を当てる。

    第14回 グローバル・ガバナンスと国際法
    グローバル・ガバナンスをになうものとして、従来の国際公法がいかなる可能性と限界をもつのかを、これまで扱ってきた対象、特に安全保障関係に重点をおいて考える。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    授業への貢献と課題レポート(2回)の評価による。授業への貢献とは、出席、議論への参加、積極的な発表等を指す。


5. 履修上の注意・その他

    法律科目を履修済であることが望ましいが、必要条件ではない。
    英語の文献を多用する。


6. 前提科目

    国際社会と法 国家と法


7. 履修条件

    特になし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2003-09-15 22:13:10


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