KGC


Keio University Shonan Fujisawa Campus
Course Summary (Syllabus)


INTRODUCTION OF SENSORY PHYSIOLOGY AND PSYCHOLOGY (Tadahiko Fukuda

    Semester : 2003 Spring
    Code : 27030 / 2 Credits


1. Objectives/Teaching method

    【主題と目標】
     人間は感覚を通して、外界からの情報を受容している。それ故、人間の感覚について理解することは、人間の機能との整合がとれた、安全かつ快適な環境を構築する上で欠かせない要件である。また、これまで人間は、身体機能を科学技術によって拡大させてきたが、これも人間の感覚機能と深く結びついている。
    本授業では、人間を「情報系」として捉え、人間が外界からの情報を、視覚および聴覚によってどのように取り入れているかについて学ぶ。主な対象を心理的な側面に置き、生理的な側面については必要最小限触れる程度にとどめる。
     本授業では、人間の感覚について理解するだけでなく、本授業から得た知識をもとに、環境と人間の感覚特性に関わる問題について、問題発見・解決できるセンスを養うことが最大の目標である。そのため、講義ではできるだけ身近な感覚・知覚現象を取り上げ、問題意識をもつきっかけとなるよう心がける。人間の感覚(現象)について是非興味を持って欲しい!
    【講義の進め方】
    ・講義:原則としてパワーポイントによる講義形式とする。授業で使用した図面はWeb上で公開する。また、講義の補助資料として毎回プリントを用意する。
    ・演習:基礎事項を学ぶためには、ある程度講義主体の受身の授業となることは避けられないが、演習問題を通じて自ら理解を深め、考える時間(毎回15〜25分程度)を確保するようにしたい。演習の指導にTA、SAのほかボランティアとして研究室の学生の応援も確保する。授業は履修者・スタッフ・教員が一体となって作り上げるものである。なお、以下の授業内容に示した演習問題は例であり、当日変更する可能性がある。
    ・後期博士課程の鈴木雅子さんが教育体験として聴覚関係を4回分担当する。理解と協力をお願いしたい。


2. Materials/Reading List

    必要な資料は毎回ハンドアウトとして受講者に配布する。教科書は使用しないが、参考書として福田著『生体情報システム論』(産業図書)他を授業中に随時紹介する。


3. SCHEDULE

    #1 (4月10日) オリエンテーション・情報処理系としての人間の機能 (福田・鈴木)
    【目標】「感覚の生理と心理」の講義の概要を紹介し、本授業の進め方について説明する。人間が外界から情報を得て感覚・知覚が成立し、行動に至るまでの過程について概略を把握する。履修者は履修の目的を明確にすること。
    1.「感覚の生理と心理」を学ぶことの重要性を考える。
    2.感覚・知覚の成立と行動に至る過程を単純化・抽象化してモデルとして表現する。
    3.日常生活の中の感覚・知覚に関する問題点を考える。

    #2 (4月17日) 眼(視覚系)の構造、「ものが見える」とは? (福田)
    【目標】:視覚の各種心理特性を理解する上で基礎となる視覚系の構造を概観し、「ものが見える」とはどういうことかを理解する。
    1.眼および視覚神経系の構造
    2.「ものが見える」とは?
    3.明所視、薄明視、暗所視の違いは何か?
    【演習】V(λ)曲線とプルキンエ現象(光のスペクトルに対する目の感度の違いから
            なぜ夜明けと夕暮れが青っぽく見えるかを考える)

    #3 (4月24日) 視野の構造と性質 (福田)
    【目標】:視野の広がりと視野の位置によって異なる視覚特性について理解するとともに、とくに視野の機能分担について理解を深める。
    1.視野の構造(私たちの視野はどのような広がりを見せるか?)
    2.視野各部の視覚特性(視野の機能は中心部と周辺部で大きく異なる)
    3.中心視と周辺視(視野は中心と周辺は巧妙に協調しあっている)
    【演習】自らの目を対象に盲点の位置と大きさを探す実験を行う。

    #4 (5月8日) 視力と図形知覚に関する生理と心理 (福田)
    【目標】:視力とは何か、また図形を知覚するとはどういうことかを理解し、環境設計への応用に関する基礎事項を学ぶ。
    1.視力と図形知覚に関する神経生理学的知見
    2.視力特性(視力の測定法と視力に影響を及ぼす要因)
    3.さまざまな図形知覚の法則
    【演習】周辺視を制限した状態での図形知覚実験を行う。

    #5 (5月15日) 色の知覚と色覚の生理的基礎 (福田)
    【目標】:色を感じるとはどういうことかを把握する。また、色覚理論と色を表示する方法、色彩心理効果について概略を把握する。
    1.色が見えるとは?
    2.色を表す方法
    3.色彩心理効果とその応用
    【演習】xy色度図とマンセルの色立体の見方を理解する。

    #6 (5月22日) 運動知覚とその応用(福田)
    【目標】:視対象の動きを知覚する条件を通じて、知覚の統合過程について理解する。また、仮現運動の成立条件について理解する。
    1.運動知覚の種類
    2.実際運動が生じる条件および運動する図形の見え方
    3.仮現運動が生じる条件
    【演習】β運動の原理を理解する。

    #7 (5月29日)立体・奥行き知覚とその応用(福田)
    【目標】:立体情報・奥行き情報を獲得する要因を整理するとともに、両眼視差による立体視の原理について理解する。
    1.立体・奥行き知覚を生じさせる生理的・心理的要因
    2.単眼で生じる立体感・奥行き感
    3.両眼視差による立体感・奥行き感
    【演習】両眼視差によって奥行き知覚が生じる原理を理解する。

    #8 第8回 (6月5日) 聴覚の生理と心理の基礎、「音が聞こえる」とは? (*鈴木)
    【目標】:聴覚の各種心理特性を理解する上で基礎となる聴覚系の構造を概観するとともに「ものが聞こえる」とはどういうことかを理解する。
    1.耳および聴覚神経系の構造はどのようになっているか?
    2.音とは何か?音が伝わるとは?
    3.「音が聞こえる」とは?
    【演習】フーリエ解析(どんな音も正弦波の集まりで表現できる)を学ぶ。
        ※電卓あるいはこれに代わるものを用意すること。

    #9 (6月12日) 音の大きさ、高さ、音色の知覚 (*鈴木)
    【目標】:音の知覚に関する基礎的な事項として、聴覚刺激の物理量と心理量の関係を把握する。また、時間周波数の概念および対数による記述が重要であることを理解する。
    1.音の知覚に関する3つの要素とは?
    2.音が大きい、小さいとは?音が高い、低いとは?音色とは?
    3.音の知覚を理解するうえで周波数と対数の概念を理解することは重要な課題である。
    【演習】聴覚の物差し(=等感度曲線)を記述してみる。

    #10 (6月19日) 聴覚特性の空間的時間的側面 (*鈴木)
    【目標】:聴覚情報の知覚・認知特性のうち、時間的な要因が重要な役割を果たしている特性について概観するとともに、音の広がり(感)について理解を深める。
    1.マスキング現象(同時マスキングと継時マスキング
    2.音の広がり感
    3.音・言語の記憶過程
    【演習】:聴覚情報の記憶量と消失過程を考える。

    #11 (6月26日) コミュニケーションと言語 (*鈴木)
    【目標】:人間が環境と良好な関係を維持するうえで言語が果たす役割りは大きい。人間   
          が言語を獲得し、生体の中でどのように処理しているかを中心に考える。
    1.聴覚情報、コミュニケーションツールとしての言語の特徴
    2.言語情報を処理する神経情報処理系
    3.言語を獲得する発達過程
    【演習】:言語を情報量として扱う方法を考える。

    #12 (7月3日) 触知覚とその応用 (福田)
    【目標】:触知覚に関する基礎的な事項として、皮膚および神経系の構造の概略を把握するとともに、皮膚による触知覚の特徴を理解する。
    1.皮膚および触覚神経系の構造はどのようになっているか?
    2.皮膚の刺激閾、2点弁別閾などの基本特性
    3.皮膚の触知覚特性を感覚代行手段として応用するには?
    【演習】皮膚上の2点弁別閾を実際に計測する。

    #13 (7月10日) まなざしの心理学 (福田)
    【目標】:目には外界からの情報を効果的に受容するために、眼球運動、焦点調節運動、虹彩による瞳孔運動、まばたきがある。これらは脳の機能が表出したものであり、人間の心理的な面を反映していると見ることができる。そのような特性を理解する。
    1.目は何故動くか? 目の動きから分かることは?
    2.焦点調節機能の特徴は?
    3.瞳孔運動から分かることは?
    4.まばたきから分かることは?
    【演習】:なし
    【自由課題レポート提出】:授業終了時に提出のこと。


4. Assignments/Examination/Grad Eval.

    【連絡事項】

    1.成績評価;成績は以下の点数を合計して評価する。
    演習問題(5点×10回=50点)、自由課題レポートの成績(50点)
    成績の目安は合計点で、A;85点以上、B;84〜70点、C;69〜60点、D;59点以下とする。
    2.提出物;授業中に行う演習問題(授業中に提出するもの以外は受け付けない。) と自由課題レポート (レポートを選択した者のみ)
    3.演習
    演習については、高校レベルの数学的な知識(対数、三角関数など)を必要とする問題が出題されることがある。電卓を用意すること。
    4.自由課題レポート
    4.1 テーマ:「感覚の生理と心理」に関連するものであれば、テーマは自由。授業を聞いて見つけた疑問や日常生活で気づいたことなど履修者自身が問題発見をし、これを解決した結果をレポートとして報告する。
    4.2 書き方:形式は自由である。また、調査研究、実験結果の報告いずれの場合も制限字数を定めない。A4の用紙を使用する。必ず左上1ヶ所をホチキス止めすること。
    4.3 期限:7月10日(木曜日)、授業終了時までとする。(以後の提出は一切受け付けない)
    4.4 注意:レポートは試験に代わるものである。各自が選んだテーマについて自らの言葉で書くこと。文献からの引用やインターネットで得た情報などを利用する場合は必ず出所を明示すること。ただし、出所を明示してもインターネットで得た情報をカットアンドペーストしただけのレポートは評価の対象とならない。
    5 教育体験について
    博士課程学生の教育体験のため、第8回から第11回の授業に関しては、TAが担当する。協力をお願いしたい。
    6 授業に関する質問、要望など
      SFC−SFSを通じて活発にコミュニケーションを図りたい。是非このシステムを活用願いたい。質問については授業中も受け付ける。


5. Special Note

    【講義の進め方】
     授業は講義と演習から成る。基礎事項を学ぶためには、ある程度講義主体の受身の授業となることは避けられないが、演習問題を通じて自ら理解を深め、考える時間(毎回15分程度)を確保するようにしたい。授業は履修者・スタッフ・教員が一体となって作り上げるものである。以下の授業内容に示した演習問題は例であり、当日変更する可能性がある。


6. Prerequisit / Related courses

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7. Conditions to take this course

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8. Relation with past courses

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9. Course URL


2003-03-11 21:33:58


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