KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


国際社会と法 (青木 節子

    2006年度春学期 金曜日3時限
    科目コード: 25160 / 2単位
    カテゴリ: 15.汎用-総合政策系科目(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

     国際社会の法主体間のルールである国際法を知らずに政策提言を行うことはできない。この授業は、将来なんらかの形で政策提言に携わることを目的とする学生や国際公務員をめざす学生などが前提知識として必要な国家間、国家と国際組織、国際組織間党国際法主体間の権限調整ルールについて授業を行う。
    講義形式で授業を行い、グループワークは行わない。


2. 教材・参考文献

    教科書
    杉原高嶺ほか『現代国際法講義(第3版)』(有斐閣、2003年)464頁。
    ISBN 4-641-04619-0)
    参考書
    大沼保昭・藤田久一編集代表『国際条約集2005』(有斐閣,2005年)約860頁。
    (ISBN4-641-00133-2)


3. 授業計画

    第1回 国際法の歴史 国際法の法源
    近代国際法成立から現代国際法成立までの歴史を概観する。次に、国際法とはいかなる形式のルールであるかを学ぶ。具体的には、形式的法源(条約、慣習法、法の一般原則)と実質的法源について基礎的知識を得る。

    第2回 条約法の仕組み
    最も重要な法源となりつつある条約のできかた、効力、無効原因、終了原因、条約と第三国の関係などウィーン条約法条約の内容を中心に条約の読み解き方を学ぶ。

    第3回 一般国際法としての慣習法
    国家が拘束されることを自ら選択することが拘束力の源泉となる条約とは異なり、慣習法は一般に国家の意思に関わりなく成立し国家を拘束する。慣習法の成立要件や慣習法が存在してもそれに拘束されない例外的条件などを具体的な例に則して考察する。

    第4回 国際組織の誕生:国際法の一大変化
    従来国家のみが国際法の主体と考えられてきたが、第二次大戦後、ある事件を契機に国際組織も国家並に扱うことが国際社会の現実にあう、という考え方に変わっていった。現代の国際社会における国際組織という存在の意義と問題点を考える。

    第5回 国家承認、政府承認と国家承継
    新しい国家が成立したとき、誰がそれを国家と認定し、国際社会はどのように新国家を迎えるのか。また、革命により政府が大きく変わったときはどうか。近代国家が蓄積した国際社会への参入ルールの意義とその動揺を検討する。

    第6回 国際法と領域取得
    近代以降、国家領域の得喪にはどのようなルールが適用されたのか。そして領域取得のルールは変わったのか。現代における領域紛争解決基準を考える。

    第7回 国際公域のルール
    深海底、公海、宇宙、南極(は厳密には領有権主張国があり、現在領有が凍結されているのみである。)の法制度の特徴と「人類の共同財産」概念の登場について考える。

    第8回 日本の領域紛争
    竹島、北方領土、尖閣諸島問題につき、それぞれ領域紛争の原因、解決基準などを検討する。

    第9回 国際法における「自衛権」と戦争
    国際法における「戦争」の地位を考え、続いて、正当な武力行使の開始条件といったん武力紛争が起きてしまってからの解決手続という2つの異なる系統のルールについて枠組を考える。

    第10回 武力紛争法規:ハーグ系とジュネーブ系
    いったん武力紛争が生じた場合に交戦者が守るべきルールについて学ぶ。この問題の現代的課題として核兵器の合法性についての国際司法裁判所の勧告的意見があるので、同意見の理論構成も交えて考える。

    第11回 国際司法裁判所「核兵器の法的地位」
    1996年に国際司法裁判所が今日の世界でも、核兵器を保有することは合法であるか違法であるかについての諮問を国連総会から受け、勧告的意見を出した。その裁判の様子をビデオで見る。その後、国際司法裁判について講義を行う。

    第12回 21世紀の国際法:新しい課題(1)非政府団体
    20世紀の国際法との大きな違いとして非政府団体の力が増大し、非政府団体が戦争や紛争の主体にもなり得る状況が現出したことが挙げられる。テロリスト団体や反乱団体を封じ込めるために国際社会が取り組む努力を、テロ関連条約を用いてのテロリズム対処システムの可能性から検討する。

    第13回 21世紀の国際法:新しい課題(2)新しい国家責任制度
    環境問題や新興・再興感染症の予防・早期対処は、現代国際社会が抱える喫緊の課題である。問題の発生防止や解決には国境を超えた協力が必要であることはいうまでもないが、基準の違反国に対して国家責任を課すことは必ずしも問題解決に有益ではない。このような新しい型の問題に対してはどのような制度を用意すればよいのか、伝統的な国際責任制度からの離陸の可能性を考える。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    定期試験の結果による。


5. 履修上の注意・その他

    授業には必ず条約集を携行してください。


6. 前提科目

    特になし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2006-03-01 15:05:25


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