KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


自然言語論 (石崎 俊

    2006年度春学期 金曜日2時限
    科目コード: 47240 / 2単位
    カテゴリ: 29.クラスター-環境情報系科目(学部)
    4.研究領域科目−環境情報系科目(大学院)


1. 主題と目標/授業の手法など

    人間がコンピュータに音声で話して電子メール文を作ったり、 インターネットで日本語を入力すると翻訳して世界中の情報を検索できれば、コンピュータはさらに一段と使いやすくなるでしょう。 このように、 近い将来にコンピュータは人間との会話の面でも大きく進歩するに違いないと思います。 しかし、 人間が言葉を使用するとき、意識はしないけれども実に多くの種類の知識を駆使しています。 新聞を読む時、 文章を書く時、 ケイタイで友達と話す時、 教室で討論する時、 ……。 ここでは文法だけでなく、 文書や会話の内容に関する知識や一般的な常識も重要です。 この授業では、 コンピュータが自然言語を理解するために重要な概念や手法を学ぶと同時に、入力した文の意味を解析する簡単なシステムで実習します。 コンピュータがどのように言葉を解析・理解し、 生成するかを勉強しながら、 現在のコンピュータのもつ言語理解能力の問題点を明らかにすると同時に、人間の記憶の構造を連想実験で調べて人間の言語能力と比較し、 「コンピュータが言葉を理解する」 ことの意味などについて考察します。


2. 教材・参考文献

    教科書:石崎著、「自然言語処理」昭晃堂
    参考書:シャンク著、石崎訳、「考えるコンピュータ」ダイヤモンド社
    シャンク著、石崎監訳、「自然言語理解入門」総研出版
    石崎他編著、「認知科学ハンドブック」共立出版
    松本他著、「言語の科学入門」岩波書店


3. 授業計画

    第1回 自然言語論入門 4月14日
     言葉の曖昧性とは
     コンピュータによる自然言語理解とは
     ミニアンケートの説明と実施

    第2回 コンピュータの言語機能   4月21日
      形態素とは
      仮名漢字変換の性能
      形態素解析のための茶筅システムの紹介

    第3回 文法と構文解析  4月28日
     チョムスキーの文法理論
     文脈自由文法、句構造文法
     構文解析システムの原理

    第4回 構文解析法  5月12日
     構文解析アルゴリズム
     構文的な言語の曖昧性
      構文解析システムの使用法

    第5回 言語の認知科学  5月19日
      言語の脳認知科学
      光トポグラフィーの実例
      言語理解

    第6回 言語の意味論   5月26日
      自然言語の意味論
      意味表現論、フレーム理論
      文脈の意味論、スクリプト理論

    第7回 言葉の認知実験   6月2日
      人間の記憶と概念辞書
      連想実験のやりかた
      上位概念、下位概念、属性概念など

    第8回 言語知識と表現   6月9日
      知識の形式化、辞書化
      単語辞書と概念辞書
      単語辞書の書き方

    第9回 意味解析  6月16日
      意味解析のメカニズム
      意味解析システムの動き
      概念辞書の書き方

    第10回 意味解析実験  6月23日
      意味解析実験の準備
      意味解析システムの起動
      簡単な意味解析、意味表現の読み方

    第11回 ブログの分析  6月30日
      ブログの最新動向
      ブログ情報の大規模収集
      ブログ情報の分析

    第12回 言語の生成  7月7日
     さまざまな言語生成法
     意味ネットワークからの生成
     言語生成システムの実際

    第13回 最新の研究紹介 7月14日
     認知実験の研究成果
      メトニミー理解研究
      慣用表現理解研究


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    学期末に試験はせず期末レポートにする予定。そのレポートと授業中の自然言語の意味解析実習のレポートを総合的に評価して成績をつけます。 第7回の認知実験では実験の説明をしますが、実験はその後の自由な時間に出来ます。その認知実験および第1回の授業で配布するミニアンケートは出欠としてカウントするので注意すること。また、学期中に4,5回程度出欠を取る予定があり、成績に影響するので注意すること。


5. 履修上の注意・その他

    自然言語の意味解析実験では、使いやすいシステムと分かりやすい資料を用意します。意味解析実験の時はプログラミングは行わないが、意味解析システムを使用するときにUNIX系のコマンドを使用する。情報処理の1年生の授業で履修するような基礎的なことを理解しているか、または同等な知識があること。


6. 前提科目

    特になし


7. 履修条件

    初回の授業で選抜用紙に授業を履修する動機などを記入して提出。その内容に基づいて選抜します。初回に事情があって出られない時は事前に石崎宛にその事情と授業の履修動機をメールで送ること。


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2006-03-12 16:17:42


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