KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


総合政策学の創造 (阿川 尚之清水 唯一朗高汐 一紀

    2008年度春学期 火曜日1時限
    科目コード: 01001 / 2単位
    カテゴリ: 2.総合講座科目(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

     総合政策学はSFCで生まれた、新しい学問・研究のあり方、方法論です。それはただ大学や研究所にこもって行う学問ではなく、21世紀に世界が直面する重要な問題の「発見」と「解決」を目指す、「実践知」の試みでもあります。
     本講義の目的は、履修者である諸君が、「実践知」としてのSFC総合政策学について知り、その最前線に触れる機会を提供することです。より具体的には、以下の3つを目指します。

    (1)本塾の創立者福沢諭吉が、青年時代大阪に出、緒方洪庵の「適塾」で学んだ、その学習・教育・研究体験を振り返り、福沢がこの体験を踏まえ1858年に慶應義塾を開いた思想、いわば総合政策学の原点を探る。

    (2)福沢の思想を受け継いだ人々が、慶應義塾創立から約130年後、どのようにして新しいキャンパスであるSFCと双子の学部創設を実現させたか。総合政策学という、学問への新しい取り組み方についての構想はどのようにして誕生し、それを実現するためにどんな工夫がなされたのか。福沢が唱えた「実学」や「半学半教」といった理念を、現在の視点で見直し実践する、「未来からの留学生」による「自我作古」の試みが始まった経緯を、見直す。

    (3)開設からまもなく20周年を迎えるSFCで、いまどんな教育と研究がなされているのか。SFCの教員や研究者、あるいは研究会の学生が、いかにフィールドワークなどの現場体験を通じて「実践知」に迫り、最新情報ネットワークや分析・解析ツールを使いこなし、異分野間の研究融合を実現しているか。慶應義塾そのものの「先導者」たらんとしているSFCのさらなる未来について、夢を共有する。

     履修者は、本講義を通じて、SFCの教員・研究者・学生が情熱をもって取り組んでいるさまざまな教育・研究、実践の試みに、まず興味を抱き、総合政策学部の全体像をつかんでください。そして本学部の構成員が共有する理念をくみ取ってください。自分自身がこれからSFCで何をしたいのか。自分自身にとって取り組むべき「問題」は何か。「問題」を発見したら、その「解決」のために必要な「知」は何なのか。先ずは自らの総合政策学を、自分の力で発見すること。本講座を履修するにあたっては、そこから出発してほしいと願います。

     なお本年度も、SFCの教員だけでなく、創設メンバーである加藤寛先生などゆかりのある講師を招き、特別に講義をしていただきます。講師の都合により、火曜日ではなく土曜日の開講ですが、普段お話をうかがう機会のない方たちです。必ず出席して、多くを学んでほしいと思います。


2. 教材・参考文献

    <講義全体にかかわるもの>
     孫福・小島・熊坂『未来を創る大学』(慶應義塾大学出版会、2004年)
     福澤諭吉『学問のすゝめ』(岩波文庫)
    <ブックレポート対象文献>
     後日、SFC-SFS課題欄に掲示する。
    <各回にかかわるもの>
     各回ごとに提示する。


3. 授業計画

    第1回 4月8日(火)「総合政策学のはじまり:福沢諭吉の夢、SFC創設の夢」(阿川尚之)
     本科目の目的と全体像、出席のとり方、授業方法、課題、授業ルールの説明(第6回で行う選挙コーカスの準備を含む)を行う。ついで、SFCを構想し、それを実現した慶應義塾教職員へのインタビューを中心として、2000年にSFC相田研究室が作成したDVDを見る。その上で、総合政策学の基礎をなす、慶応義塾の創立者福沢諭吉の建学の思想と、現在のSFCにおけるその意味について、学部長が自ら語る。合わせて新カリキュラムで導入されたメンター制度とSFC-SFSについて説明する。

    第2回 4月15日(火)「発見と創造と解決と(1)―自伝的SFC論」(金子郁容・研究会OBOG・研究会学生)
     第2回以降、数回にわたって、SFC教員がどのようにして問題を「発見」し、その「解決」をめざして、現在の専門分野で研究を行いはじめたかを語る。第2回は、SFC教員とその指導を受けた門下生を招く。また現役学生が、それぞれの研究会について、教員の人柄や学問について説明する。

    第3回 4月22日(火)「発見と創造と解決と(2)―自伝的SFC論」(國領二郎・後期博士課程学生・研究会学生)
     第2回に引き続き、SFCの教員と卒業生が、現在の研究をはじめたきっかけ、SFCで教えること、学ぶこと、特定教員の研究会で、研究をすることについて、語る。同時に、研究会の現役学生が、彼らから見た師弟教員の研究会について語る。

    第4回 5月13日(火)「発見と創造と解決と(3)―自伝的SFC論」(草野厚・後期博士課程学生・研究会学生)
     第2回に引き続き、SFCの教員と卒業生が、現在の研究をはじめたきっかけ、SFCで教えること、学ぶこと、特定教員の研究会で、研究をすることについて、語る。同時に、両者の研究会学生が、彼らから見た師弟教員の研究会について語る。

    第5回 5月27日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(1)―民主主義の実践:選挙コーカス)」(阿川尚之)
     第5回は、コーカスと模擬選挙を実施し、民主主義を実践、体験する。

    第6回 6月3日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(2)―実践としての政治」(浅野史郎・曽根泰教・研究会学生)
     SFCの教員は、政治家としての経験を生かし、あるいは政治学者としての訓練を通じて、政策の分析を行い、政治家への助言を通じ手、実際の政治に影響を与える、政策の専門家がいる。第6回は、宮城県知事として政策の現場にいた浅野教授と、政治学者として多年にわたった政策提言・マニフェスト普及に力がある曽根教授他が、実践としての政治・政策提言、さらには政党と官僚の関係について語りあい、学生が研究会の活動について語る。本授業は、パネルディスカッションの形で行う。

    第7回 6月10日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(3)―組織マネジメントの実践」(印南一路、上山信一、研究会学生)
     SFCの一部の教員・研究者は、企業をはじめとする社会のあらゆる組織の形態・機能・実際の動き、役割、コミュニティーとの相互作用について、研究を行っている。企業やNPOの活動は、福沢のいういわば人間交際の場であり、究極の実践の場である。第7回では、経営やマネジメントの専門家であり、実際の企業のコンサルタントとして経験を積んできた2人の教員が、組織論・マネジメント論における実践と研究の関係を語り、学生が研究会の活動について語る。この回はパネルディスカッション形式で行う。

    第8回 6月14日(土)「特別講演(1)これまでのSFC、これからのSFC」(講師調整中)
     1990年に創設され、まもなく20才を迎えるSFC。安西祐一郎塾長をSFCに迎え、総合政策学部長、環境情報学部長との鼎談でSFCの過去、現在、未来を論じる。
     なお、この回は5月20日(火)の補講として扱う。

    第9回 6月17日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(4)―言語のチカラ、藤沢から世界へ」(平高史也・古石篤子・重松淳・野村亨・奥田敦・研究会学生)
     SFCにおける語学教育をてがける教員が、単に語学の教授にとどまらず、言語を世界への窓として用い、フランス、ドイツ、中国やインドネシア、シリア、さらに地元藤沢で行っている。第9回では、そうした教員や学生の実践活動について、それを通じて得られた研究成果について、研究会の学生とともに語る。この回は、パネルディスカッションの形で行う。

    第10回 6月24日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(5)―現場を見る、人を看る」(古谷知之、GP参加学生、山下香枝子、看護医療学部教員・学生)
     SFCには、現場を見ること、フィールドワークに出ることを重視する気風があり、これを学生と率先して行う教員・研究者が多くある。他方、総合政策学部と同じキャンパスには、人の生死をまさに現場で看る看護医療学部がある。現場を見ること、生死を看ることはどんな射程を有するのであろうか。第10回は、現在SFCで展開されているフィールドワークプログラム(学生支援GP)の取り組みについて同プログラムの担当教員と参加学生が話し、看護の現場について、山下看護医療学部長と教員・学生が語る。

    第11回 6月28日(土)「特別講演(2)これまでのSFC、これからのSFC」(加藤寛・嘉悦大学学長、元総合政策学部長)
     1990年に創設され、まもなく20才を迎えるSFC。その原点の思いと、これからのSFCへのメッセージを、創設の中心人物であるカトカン先生を迎え、語っていただく。
     なお、この回は7月15日(火)の補講として扱う。

    第12回 7月1日(火)「総合政策学の作法:実践知のすすめ(6)―次世代の描くSFC」(総合政策学部・環境情報学部若手教員)
     SFCには、30代なかばの若手教員が多く在籍し、学生諸君と数多くの研究成果を挙げている。彼ら彼女らは今のSFCをどう見ているのか、これからどのように展開していこうと考えているのか。夢と理想に溢れた若手教員が、SFCの未来像を熱く語りあう。

    第13回 7月8日(火)「全体のまとめ:君たちは、何を学び、どう生きるか」(阿川尚之、高汐一紀、清水唯一朗)
     君たちは、なぜ大学に入ったのか。大学で何を得ようとしているのか。何を学び、何をしたいのか。君たちは、これからどう生きていくのか。
     最終回には、これらの問題につき、総合政策学の枠を超え、また学部の垣根を飛び越えて、これから諸君が大切にすべきこと、考えること、書くこと、そして創造することについて語る。

    (注)以上はあくまで予定であって、ゲスト教員の顔ぶれ、講義日などは、変更の可能性があるので、注意すること。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    成績評価は出席回数、課題の提出、授業への参加にもとづいて行ないます。 授業の具体的進め方と合わせ、詳しくは初回の授業で説明します。


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    「SFC総合講座A」「プロジェクト総合講座A」*これらの科目を進級、卒業あるいは修了に関わる科目の単位として修得済みの学生は、自由科目としての履修のみ可能。


9. 授業URL


2008-03-19 18:56:22.137087


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