KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


社会安全政策(治安) (坂 明

    2009年度春学期 水曜日2時限
    科目コード: 30050 / 2単位
    カテゴリ: 14.先端導入科目-総合政策-社会イノベーション(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    【主題と目標】
    1 現代社会においては、人間が「社会」「共同体」やそれらを通じた「大いなる存在」との結びつきを失い、一人一人が孤立を深めているように思われます。「公」や大組織、先生や医師など権威を持っていた存在も、かつての力はありません。
    このような変化は、犯罪にも影響を与え、また「安全」に関する人々の認識にも影響を与えています。
    2 「安全」は人間が各々の目標を達成することを支えるものであり、現代において、「安全」をどのように認識し、考え、またどのように「安全」に関して行動するかが、新たな「(自らの)リーダーとしての個人」、新たな意識や行動の場としての「共同体」を生み出す力ともなるのではないかと考えています。
    3 本科目では、
    ・安全をめぐる全体構造の把握
     犯罪の動向
      統計などからみた全体的な動き
      身近な、感覚などで把握できる動き
     安全に関係する主体
      犯罪を犯す主体(個人、組織)
      犯罪の被害者
      犯罪に関する地域、共同体
      犯罪に対応するための組織、個人
     安全に関する仕組み
    ・具体的な犯罪や安全をめぐる状況
    ・対応
    について検討をしていきたいと考えていますが、これらを考察することにより、様々な観点から問題を把握し、それに実践的に対応するための考え方、方法について学んでもらうことを目標としています。
    特に、数値的なデータだけでは捉えられない、個々の具体的な場の変化やそこにおける対応について検討することは、皆さんが実際に行動する上でも参考になるものと考えています。

    【授業の手法など】
    4 授業では、犯罪被害者の方や実際に安全のための活動を行っている方をゲストでお呼びする予定です。また、ビデオなど視聴覚教材も使用する予定です。
    5 講義資料を授業前にSFSにアップしておきたいと思います。これを参照しながら授業を聞いていただくと理解しやすいと思います。。
    6 SFSなどを活用しながら、学生の皆さんの意見や要望を聞きて授業を進めたいと思います。


2. 教材・参考文献

    以下はいずれも参考文献・資料です。
    (犯罪の面からの安全の状況の概観のために)
    ・警察庁編.警察白書平成20年版,http://www.npa.go.jp/hakusyo/
    上記URLは警察白書の目次ページになっており、各年の警察白書のデータを見ることができます。警察白書は毎年テーマを設定して特集が組まれており、余裕があれば各年の特集部分をみると、それぞれの年に警察が取り組んでいた課題を概観できます。
    ・法務省法務総合研究所編.犯罪白書平成20年版概要, http://www.moj.go.jp/HOUSO/hakusho2.html
    警察白書同様、上記URLは犯罪白書の目次ページになっており、概要にリンクし、各年版犯罪白書本体のデータの目次ページにリンクしています。犯罪白書も、それぞれの年の犯罪状況について概観しているほか、毎年テーマを設定して特集が組まれています(本文はネット上では平成19年まで)。
    (社会安全政策(治安)の考え方、枠組みの理解のために)
    ・小野正博他.警察政策論.立花書房.2007,408p.,ISBN 978-4-8037-0011-4
    この本は警察実務家によって書かれており、政府・警察がどのように安全政策を進めているかを概観できます。
    ・木村光江.「刑事法入門」第2版.東京大学出版会, 2001, 256p.,ISBN978-4-13-032322-2
    犯罪の状況、これに対する制度的・法律的対応の考え方を理解するのによい入門書です。
    (安全のための具体的な対策、取り組みの理解のために)
    ・小宮信夫編著.安全はこうして守る―現場で本当に役立つ防犯の話.ぎょうせい,2007,ISBN978-4-324-08096-2
    テーマがよく考えられて選択されており、記述も具体的で、取り組みの現場を理解できる、実践的な本です。
    ・George L. Kelling,Catherine M. Coles著,小宮信夫監訳,大塚尚・青山彩子・千代延晃平・立崎正夫訳.割れ窓理論による犯罪防止−コミュニティの安全をどう確保するか.文化書房博文社,2004,p334,ISBN978-4-8301-1021-4
    これも、理論と実践について理解できる文献です。


3. 授業計画

    第1回 社会安全政策論とは
    社会安全政策論の位置付け、現代社会における意義について検討します。
    社会の安全については様々な要素がありますが、その中で人が意図的に行う他者に対する侵害行為(多くの場合「犯罪」とされます)について本講義では扱います。
    こうした、犯罪のような脅威とはどのようなものか、なぜこうした脅威が発生するのか、その実際の状況はどのようなものか、それに対する人々の認識について検討します。その上で、安全のための取り組みがなぜ重要か、どのような取り組みが求められているのかについて概観します。

    第2回 安全をめぐる状況と社会安全政策の仕組み
    社会安全に関わる状況について、特に犯罪状況を中心に分析します。
    その上で、社会安全のための仕組みのうち、特に刑事政策について検討します。
    その意義や現状、刑事政策に関与する主体(犯人、被害者、警察、裁判所、地域、一般の人々)とそれぞれの関わり方、仕組みについて理解します。

    第3回 性犯罪の現状と対応
    性犯罪の実態と対応、外国における対応などについて理解します。

    第4回 被害者の立場から
    実際に身近な方が被害に遭われた方をゲストとしてお呼びし、お話いただきます。今年度は交通犯罪による被害者の方をお招きする予定です。犯罪に遭うということはどういうことか、犯罪自体に加えてその後にどのようなことが起こるのか、関係者や周囲の人々はどのような支援を行えばよいのか、などについて理解を深めたいと思います。

    第5回 交通安全政策
    前回の被害者の方のお話も受け、総合的な交通安全政策について、検討します。

    第6回 身近な犯罪への対応
    ひったくりや暴行などの街頭犯罪、家に入り込まれての盗難、強盗について、実態と対応について検討します。

    第7回 暴力団をめぐる現状と対応
    暴力団がどのように犯罪を行い、社会を脅かしているか、その実態と対応を理解します。

    第8回 薬物依存への取組み
    薬物依存についての取組みを行っている方々からお話を伺います。実際に薬物依存となった方のお話も伺います。

    第9回 薬物をめぐる現状と対応
    薬物をめぐる問題状況とその対応について検討します。

    第10回 子どもが被害者となる犯罪
    児童虐待や児童ポルノ、出会い系サイトによる事件など、子どもが被害者となる犯罪について検討します。

    第11回 サイバー犯罪の現状と対応
    サイバー世界は、現代において人々の生活に不可欠のものとなっていますが、まだその安全のための取り組みは途上にあると言えます。現状とこれからの対応について検討します。

    第12回 お金をめぐる犯罪の現状と対応
    詐欺など「お金」にからむ犯罪について検討します。

    第13回 犯罪の現状と対策
    これまでの授業のまとめをしたいと思います。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    ・中間レポートと最終レポートの提出を求め、これによって評価をすることにします。テーマは授業の中でお示しします。
    ・この他、ゲストの方のお話についての感想を提出してもらいます。これについても評価に加味します。


5. 履修上の注意・その他

    興味を感じた点については、参考文献などを手がかりに勉強してみて下さい。授業の際にもなるべく資料の所在等の情報を提供していきたいと思います。 


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2009-03-04 06:03:28.831555


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