KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


環境政策 (浜中 裕徳

    2009年度春学期 火曜日4時限
    科目コード: 40170 / 2単位
    カテゴリ: 20.先端開拓科目-総合政策-社会イノベーション(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    我が国において、環境政策は高度経済成長の歪みとして表面化した公害問題への取組から、循環型社会形成推進、そして地球環境問題への対応と、課題が複雑化するのに応じ、その理念や原則を発展させ、さまざまな政策手法を適用して進められてきた。本講義では、先ず環境問題の変遷と環境政策の発展の歴史を振り返り、現在の環境政策の基本的枠組となっている環境基本法の基本理念や諸原則、同法の下での環境政策の手法を学ぶ。その上で、循環型社会形成推進政策や地球温暖化対策を事例に取り上げ、これらの政策課題に対処するためにさまざまな政策手法がどのように選択され、適用されているのか、またこれらの諸政策手法によって構成される政策ミックスがどのように進化してきているかを検証し、複雑化する環境問題に取り組む政策のベストミックスを構成するための基本的視点を獲得することを目指す。なお、環境政策の今日的な重要課題についての理解を深めるため、授業の一環として国の担当行政官などを講師として招き講演を行う。


2. 教材・参考文献

    倉阪秀史、『環境政策論 環境政策の歴史及び原則と手法』、東京、信山社、2004、363p.(ISBN4-7972-5258-8)
    松下和夫、『環境ガバナンス論』、京都、京都大学学術出版会、2007、317p.(ISBN978-4-87698-727-6)
    橋本道夫、『私史環境行政』、東京、朝日新聞社、1988、376p.(ISBN4-02-255837-7)



3. 授業計画

    第1回 イントロダクション
    序論として、環境政策とは何かを概観するとともに、授業計画を紹介する。

    第2回 環境問題の変遷と環境政策の歴史(1)-日本の公害経験と教訓
    高度経済成長に伴う公害問題の深刻化、公害対策基本法の制定、公害国会における公害対策立法の進展など本格的な公害対策の形成、環境庁の設置と環境行政の展開などをレビューし、わが国は激甚な公害とその克服の経験から教訓として何を学んだのかについて考察する。

    第3回 環境問題の変遷と環境政策の歴史(2)-今日的環境問題への取組
    公害対策の教訓を踏まえた予防的施策への志向、経済・社会の変化に伴い新に生じた都市型・生活型公害問題や深刻化した廃棄物問題への取組、世界的関心の高まりを背景とした地球環境問題への取組などについてレビューする。

    第4回 環境政策の基本的枠組-環境基本法
    環境基本法制定の背景、同法の目的、基本理念について概説する。また、環境基本法およびこれに基づき実施されている環境政策の諸原則(未然防止・予防、汚染者負担、拡大生産者責任など)について論ずる。

    第5回 環境政策手法(1)-環境基本計画などの計画的手法
    環境問題の変遷に伴う環境政策の展開プロセスにおいて、公害防止計画、環境基本計画などの計画的手法が発展してきた。これらの計画的手法に関し、計画の機能と要素、環境基準などの計画の目標、計画策定プロセス、実施状況の点検・評価と計画の見直しなどについて論ずる。

    第6回 環境政策手法(2)-規制的手法、経済的手法、自主的取組など
    対策実施手法として、行為規制、パフォーマンス規制、手続き規制などの規制的手法、税・課徴金、預かり金払い戻し制度、排出量取引などの経済的手法、情報開示手法、自主的取組、および環境教育・学習、普及啓発、民間活動支援などの支援的手法について論ずるとともに、政策課題の内容に応じた政策手法の選択と組合せについて考察する。

    第7回 環境問題への取組における企業・市民の役割
    環境問題の変遷に伴い、企業・市民(NGO,NPO)の役割が増大している。そこで、企業・市民の環境行動の現状をレビューし、その課題は何かを考察する。

    第8回 環境問題における関係各主体の役割・政策手法の選択と適用
    第5回、第6回および第7回で学んだ各種政策手法や増大する企業・市民の役割を踏まえ、特定の環境問題を事例にその特性や実態に応じて関係する各主体が果たすべき役割や各種政策手法の適切な組合せ方についてインタラクティブな授業を通じて学ぶ。

    第9回 政策ミックスの事例と課題−循環型社会形成推進政策(1)
    循環型社会形成推進政策を事例として取り上げ、容器包装リサイクル制度や家電リサイクル制度を含め、どのように政策が進展してきたのか、どのような政策ミックスが採用されているのかを、国の政策担当者の講演を通じて検証する。

    第10回 政策ミックスの事例と課題−循環型社会形成推進政策(2)
    第9回で検証した循環型社会形成推進政策の政策ミックスの課題について考察する。

    第11回 政策ミックスの事例と課題−地球温暖化対策(1)
    地球温暖化対策を事例として取り上げ、京都議定書目標達成計画の実施のためにどのような政策ミックスが採用されているのかを、国の政策担当者の講演を通じて検証する。

    第12回 政策ミックスの事例と課題−地球温暖化対策(2)
    第11回で検証した京都議定書実施のための地球温暖化対策に関し、その政策ミックスの課題について考察する。

    第13回 新しい環境政策の方向と課題
    本授業を総括し、複雑化する環境問題に対する取組を効果的に推進するために、政策のベストミックスをどのように構成すべきかについて考察する。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    授業数回に1回程度授業時間の最後に課題を出すので、その都度レポートを提出すること。また、期末には改めて課題を出すので、期末レポートを提出すること。成績は、期末レポートの内容のみならず、学期中のレポートや出席の状況を総合して評価する。


5. 履修上の注意・その他

    履修希望者が150名を超える場合には選抜を行うので、第1回授業には必ず出席すること。また、授業数回に1回程度レポート提出を課すのは、授業に出席し、講義を聴いて環境問題について自分で考えることを重視しているためであり、期末レポートのみならず授業中に出題する課題のレポートも併せて成績評価を行うことに注意して欲しい。


6. 前提科目

    経済学・法律の知識があることが望ましい。


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    「環境政策論」*この科目を進級、卒業あるいは修了に関わる科目の単位として修得済みの学生は、自由科目としての履修のみ可能。


9. 授業URL


2009-03-10 21:21:57.956444


Powered by SOI Copyright(c) 2002-2018, Keio University Shonan Fujisawa Campus. All rights reserved.
このサイトの著作権について