KGC


Keio University Shonan Fujisawa Campus
Course Summary (Syllabus)


DEVELOPMENT AND THE LOCAL COMMUNITY (Junichi Yamamoto

    Semester : 2010 Spring
    Code : 65020 / 2 Credits


1. Objectives/Teaching method

    本科目では、開発の理論と実践をローカルな<現場>に即して読み解き、当該地域にとって望ましい開発や開発支援のあり方を探求する。具体的には、ラテンアメリカ、アジアなどの現場で開発実践・開発支援をしている団体・個人の活動(事例)を紹介・検討したのち、開発をめぐる様々な理論・思想を概観するとともに、クールごとに設定したテーマについて受講生を交えて議論する。


2. Materials/Reading List

    各回の文献を参照のこと。


3. SCHEDULE

    #1 (4/8) オリエンテーション、なぜ「開発とローカリズム」なのか
    本科目の目的・授業計画を紹介し、「開発」の起源とその意味、開発問題とともに生み出された「低開発」「第三世界」という概念(言説)について考察したのち、100年に一度といわれる経済危機の中にあってなぜ地域(ローカル)の力が求められているのかを議論する。

    課題文献(宿題として読んでおくこと):
    鈴木紀(2001)「開発問題の考え方」菊池京子編『開発学を学ぶ人のために』世界思想社
    山本純一(2009)「書評『南部メキシコの内発的発展とNGO――グローカル公共空間における学び・組織化・対抗運動』」『アジア経済』第50巻第8号
    参考文献:
    Escobar, Arturo (1995), Encountering Development: The Making and Unmakig of the Third World, Princeton: Princeton University Press.
    北野収(2008)『南部メキシコの内発的発展とNGO―グローカル公共空間における学び・組織化・対抗運動』勁草書房
    ヴォルフガング・ザックス編(1996)『脱「開発」の時代―現代社会を解読するキイワード辞典』晶文社(とくにG・エステバ「開発」の章)


    #2 (4/15) ペルーとメキシコのコーヒー生産者の現状と所得向上の可能性
    ペルーとメキシコのコーヒー生産者支援に関わるゲスト(盒狭酩Щ瓠砲斑甘者の講義をもとに、望ましい開発支援のあり方を考える。

    課題文献:
    山本純一(2009)「開発支援とフェアトレードにおける中間組織の役割」田島英一・山本純一編著『協働体主義―中間組織が開くオルタナティブ』慶應義塾大学出版会
    参考文献:
    北野収(2008)『南部メキシコの内発的発展とNGO―グローカル公共空間における学び・組織化・対抗運動』勁草書房

    #3 (4/22) 第1クールの小括
    受講者のリアクションペーパーをもとに、質疑応答・議論する。

    #4 (5/6) ラテンアメリカの連帯経済(グループワークかレポートかの選択締切)
    新自由主義(市場偏重)経済のオルタナティブといわれている「連帯経済」の概念を歴史的かつ政治経済学的に整理したのち、メキシコ・チアパス州とブラジルの事例を考察する。

    課題文献:
    山本純一(2006)「連帯経済―人間中心の経済の再生をめざして」『月刊オルタ』2006年2月号
    ――――(2005)「連帯経済の構築と共同体の構造転換―メキシコ最貧困州チアパスの経験から」内橋克人・佐野誠編『ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の末来』新評論
    参考文献:
    西川潤・生活経済政策研究所編(2007)『連帯経済―グローバリゼーションへの対案』明石書店
    山本純一(2004)『メキシコから世界が見える』集英社新書
    ――――(2005)「もうひとつの世界は可能か――第5回連帯経済ワークショップに参加して」『山本純一の視点』2005年11月14日号、http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/
    D・ハーヴェイ(2007)『新自由主義―その歴史的展開と現在』(渡辺治監訳)作品社

    #5 (5/13) アジアの連帯経済
    アジアの連帯経済について、ゲスト(政策・メディア研究科後期博士課程2年笠井賢紀君)が講義する。アジアにはこれまで近年まで連帯経済という概念は浸透してこなかったが、連帯経済と呼べるような実践は数多く行われてきた。古くからある互助行為の事例を挙げた後、連帯経済の実践について積極的に交流を図っている「アジア連帯経済フォーラム」についても紹介し、今後の展望を考える。
    参考文献:
    恩田守雄(2008)『共助の地域づくり―「公共社会学」の視点』学文社
    馬頭忠治・藤原隆信編著『NPOと社会的企業の経営学―新たな公共デザインと社会創造』ミネルヴァ書房

    #6 (5/20) 第2クールの小括
    第4回、第5回の授業に対する質疑応答とディスカッションを行う。受講生はあらかじめ指定の課題文献を熟読しておくこと。

    #7 (5/27) スロービジネス
    環境問題を経済活動から変えていく「スロービジネス」に取り組んでいる「ナマケモノ倶楽部」の活動を紹介する。

    参考文献:
    辻信一(2004)『スロー・イズ・ビューティフル―遅さとしての文化』平凡社
    中村隆市・辻信一(2004)『スロービジネス』ゆっくり堂
    島村菜津・辻信一(2008)『そろそろスローフード―今、何をどう食べるのか?』大月書店
    島村菜津(2009)『スローフードな日本!』新潮文庫

    #8 (6/3) 大分一村一品運動(予定)
    地域開発の成功例として世界にも広まっている大分の一村一品運動を紹介し、その成果と課題を議論する。

    課題文献:
    松井和久(2006)「日本の地域振興の展開と一村一品運動」松井和久・山神進編『一村一品運動と開発途上国』アジア経済研究所

    #9 (6/10) 第3クールの小括
    第8回、第9回の授業に対する質疑応答とディスカッションを行う。受講生はあらかじめ指定の課題文献を熟読しておくこと。

    #10 (6/17) 近代化論と新自由主義
    開発は好むと好まざるとにかかわらず近代化を志向する。その近代化とは何か、そして現在の近代化論とでもいうべきネオリベラリズム(新自由主義)に関する議論を概観する。

    課題文献:
    内橋克人(2005)「日本「構造改革」論の虚実―ラテン・アメリカを既視感として」
    佐野誠(2005)「「失われた10年」を超えて―ラテン・アメリカの教訓」
    ※いずれも内橋克人・佐野誠編(2005)『ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の末来』新評論に所収
    参考文献:
    富永健一(1996)『近代化の理論――近代化における西洋と東洋』講談社学術文庫
    二宮厚美(1999)『現代資本主義と新自由主義の暴走』新日本出版社
    M・リードマン(1984)『政府からの自由』(西山千明監修、土屋政雄訳)中央公論社
    金子勝(1999)『反グローバリズム――市場改革の戦略的思考』岩波書店
    ―――(1999)『反経済学――市場主義的リベラリズムの限界』新書館

    #11 (6/24) ポスト開発論
    柳田国男と南方熊楠の思想に大きく影響を受けた、鶴見和子の「内発的発展論」の意義とそれに対する批判、そして開発主義からの脱却をめざす「サブシステンス論」やヘレナ・ノーバーグ・ホッジの議論を紹介する。

    参考文献:
    鶴見和子(1996)『内発的発展論の展開』筑摩書房
    ――――(1999)『コレクション鶴見和子曼荼羅IX 環の巻 内発的発展論によるパラダイム転換』藤原書店
    郭洋春ほか(2005)『環境平和学―サブシステンスの危機にどう立ち向かうか』法律文化社
    岡本三夫・横山正樹編(1999)『平和学の現在』法律文化社
    郭洋春ほか(2004)『脱「開発」へのサブシステンス論―環境を平和学する! 2』法律文化社
    ビデオ『回生 鶴見和子の遺言 全2巻』藤原書店
    H・ノーバーグ・ホッジ(2003)『ラダック 懐かしい未来』(『懐かしい未来』翻訳委員会訳)山と渓谷社

    #12 第4クールの小括(期末レポート(選択者)の提出締切)
    第10回、第11回の授業に対する質疑応答とディスカッションを行う。受講生はあらかじめ指定の課題文献を熟読しておくこと。

    #13 (7/8) グループワーク「貧困と地域開発」(授業改善案の締め切り)
    本科目の総括として、標記テーマ(サブタイトルを自由に設定)についてグループごとにプレゼンテーションを行い、質疑応答・ディスカッションをする。また、期末レポートの中から、優秀なものを選び、プレゼンテーションを行う。


4. Assignments/Examination/Grad Eval.

    リアクションペーパー5回程度(50%)、出席(10%)、グループワークもしくは期末レポート(40%)、授業改善案(+α点)の成績を総合して評価する。
    グループワークと期末レポートのどちらにするかは、各履修者が選択してよい。第4回までに、どちらにするか選択して、グループワークの場合は早めにグループを作ること。


5. Special Note

    質疑応答と議論を活発にするため、課題文献を指定し、そのコピー集を配布する予定なので、事前によく読んでおくこと。
    グループワーク、期末レポートのいずれも、授業中に作業を行う時間は取らないので各自で無理のない予定を立てて進めること。


6. Prerequisit / Related courses

    -


7. Conditions to take this course

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8. Relation with past courses

    -


9. Course URL


2010-03-11 17:30:51.724228


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