KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


先端研究(ケースメソッド) (折田 明子

    2012年度秋学期 月曜日4時限
    科目コード: 51005 / 2単位
    カテゴリ: 2.研究支援科目−先端研究科目(大学院)


1. 主題と目標/授業の手法など

    このコースはさまざまな研究方法論の中での事例研究の位置づけや、強み、弱みを検証しながら人間の知の蓄積に貢献できる事例研究の具体的な方法論について検討を行う。その上で、研究を始める上で問いを立て、研究を設計し、妥当性を持って調査と分析を行い、それをケース論文あるいはケース教材としてとりまとめる手法を身につける。ケースを構成する材料は、質的データ、量的データなどさまざまである。ケースをとりまとめるにあたって、それらのデータの収集方法、妥当性を持った分析、因果関係の正しい読み取りについても取り扱う。 まず、ケース研究の位置づけと、研究用・教材用ケースの概要について学ぶ。次に、Yin(2008)をベースに、事例研究の妥当性を持ったとりまとめ方について学ぶ。なお、フィールドワークの技法やデータの読み方については、随時教科書を追加して深めていく。最終課題として、ケース論文あるいはケース教材をとりまとめていただくため、プロポーザルの執筆とそれに対するフィードバックを行う。最終回では、受講生によるケースを希望者から募り、論評する。また、さらにアドバンスト編として、教育主題に沿って描画に情報を埋め込んだマンガ教材ケースの紹介、ケース授業の教育効果の評価についても取り扱う。


2. 教材・参考文献

    教材:
    Yin, Robert K.. Case Study Research: Design and Methods (Applied Social Research Methods) Forth edition. Sage Publications, 2008.
    佐藤郁哉.フィールドワークの技法−問いを育てる、仮説をきたえる.新曜社.2002
    谷岡一郎. データはウソをつく-科学的な社会調査の方法. ちくまプリマー新書.2007

    参考文献:
    野矢茂樹. 論理トレーニング101題. 産業図書. 2001
    スティーブン・ジョンソン.感染地図. 河出書房新社. 2007

    この他、必要なケース教材はその都度配布する。


3. 授業計画

    第1回 オリエンテーション
    本コースの目的、進め方、ケース研究とケース教材の概要について説明します。

    第2回 ケース研究概観
    実際のケース材料およびYin第1章を読み、社会科学におけるケース研究の位
    置づけ、ケース研究の可能性と限界、多様なケース研究の類型などについて
    概観します。
    <文献>
    ・Yin " Case Study Research: Design and Methods " 第1章
    ・ケース教材(その都度配布します)

    第3回 問題発見・解決と事例へのアプローチ
    事例に関する質的・量的データの収集と推論から、問題の発見・解決に至るアプローチについて学びます。 <文献> ・スティーブン・ジョンソン『感染地図』

    第4回 教材ケースと研究ケース
    教材用のケースと研究手法としてのケーススタディの違いについて概説します。それぞれに共通する構成と、目的の違い、材料のとりまとめ方について 学びます。 <文献>・ 高木・ 松澤「ケースライティングガイドブック」 2007 ・ case.sfc.keio.ac.jp より教材ケース

    第5回 問題発見・解決と事例へのアプローチ
    ケース研究や教材ケースを読みながら、社会科学における事例研究の位置づけについて学びます。<文献>SFSより配布します。

    第6回 ケース研究の設計
    ケース研究の設計について、問いの立て方から、妥当性の確保について学び
    ます。
    <文献>
    ・Yin " Case Study Research: Design and Methods " 第2章

    第7回 ケース研究の調査法(1)
    ケース研究を始める上での、具体的な調査法について学びます。
    <文献>
    ・Yin " Case Study Research: Design and Methods " 第3章

    第8回 ケース研究の調査法(2)
    ケース研究における調査の進め方について学びます。
    <文献>
    ・Yin " Case Study Research: Design and Methods " 第4章

    第9回 ケース研究の調査法(3)
    エスノグラフィの技法を参考に、フィールドワークの方法について学びます。 <文献> 佐藤郁哉『フィールド ワークの技法-問いを育てる、仮説をきたえる』

    第10回 ケース研究のデータ分析(1)
    ケース調査によって得られた情報の分析方法およびとりまとめ方について学
    びます。
    <文献>
    ・Yin " Case Study Research: Design and Methods " 第5章、第6章

    第11回 中間フィードバック
    最終成果ケースのプロポーザルを出していただき、それに対してフィードバ
    ックをお返しします。

    第12回 ケース研究のデータ分析(2)
    ケース調査によって得られた情報の読み取りと、正しい解釈、推論について
    学びます。
    <文献>
    谷岡一郎「データはウソをつく-科学的な社会調査の方法」

    第13回 ケース教材の応用:マンガ教材
    教育主題に基づいて、描画に情報を埋め込んだマンガ教材について、その概
    要の説明と、議論の実践を行います。
    <文献>
    ・当日配布します

    第14回 まとめ
    本講義をとりまとめます。また、受講者が執筆したケース教材による議論、あるいはケース研究のレビューを行ないます。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    提出課題:
    ・(毎回)課題図書に対するレジュメ
    ・(中間)ケース論文あるいはケース教材のプロポーザル
    ・(最終)ケース論文あるいはケース教材

    成績評価方法:
    課題図書のレジュメ 40%
    教室での議論参加 30%
    ケース教材・小論文 30%
    エキストラ点 +10% (特に積極的な参加が見られるもの)


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    「先端研究K」*この科目を進級、卒業あるいは修了に関わる科目の単位として修得済みの学生は、自由科目としての履修のみ可能。


9. 授業URL


2012-08-27 11:34:44.139293


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