KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


国際開発論 (草野 厚

    2012年度春学期 木曜日3時限
    科目コード: 32060 / 2単位
    カテゴリ: 16.先端導入科目-総合政策-国際戦略(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    発展途上国と日本、国際社会との関係を中心に、途上国の開発をめぐる課題について政治的視点を含め学びます。 途上国の経済発展は、日本を含む資本主義体制が有効に機能する大前提です。近年、発展著しい途上国も増加していますが、貧富の格差も拡大し、開発支援は十分に機能しているとはいえません。さまざまな要因、たとえば、国際社会の支援そのものの問題、途上国側の援助受け入れのシステムの問題、途上国側の部族間対立など固有の事情など、さまざなものがあります。それらの点を、知識として身につけることが、この授業の一つの目標です。このなかには、ジャスミン革命にみられる、新たな問題も含まれます。もう一つは、日本がどのように、そうした途上国とかかわりをもっているか、ODAだけでなく、自衛隊の協力も視野に説明します。他方、日本の財政事情は厳しく、他の国への援助など考えられないという人々も増えています。民主党政権も、これまでの自民党時代のODAを見直してきました。そう考えると、ODAの転機でもある、この時期に、そのあるべき姿を検討することは意味のあることかもしれません。軍隊(自衛隊)警察の協力を視野に入れるのは、国連のPKO活動、多国籍軍の国際協力活動は、ODAと並び、国際社会の常識だからです。重要でしょう。この分野を含め4回ほどの授業は、私と若手研究者のジョイントです進めます。自衛隊の協力では、博士課程の本多君。日本以外の援助国として存在感を増している韓国については博士課程のカン君。日本の技術協力については、SFC研究所の竹澤さんが登場します。また、外務省、JICA、自衛隊、NGO、メディアの方もお招きする予定。諸外国の援助の事例として、に博士課程のカン了解をお願いします。この分野の専門家もゲストとして登場してもらいます。なお、東日本大震災により、日本は支援する側から支援される立場になりました。そのことも授業に反映したいと思っています。


2. 教材・参考文献

    ●草野厚   ODAの現場で考えたこと(NHKブックス)(教材)購入のこと
    ●渡辺利夫・三浦有史 ODA 中公新書(強くお薦め)
    ●草野厚   日本はなぜ地球の裏側まで援助するのか 朝日新書
           (強くお薦め)



    以下は、適宜、資料的に充実しており、多用する参考文献
    08年版 ODA白書 


3. 授業計画

    第1回 履修に関してのメッセージ
    この授業の目的、進め方を説明し、諸君の途上国に関する関心の度合いなどアンケートを行います。次回までに読了する文献についても紹介します。途上国に対する援助、協力とはなにかを考えるための、素材を提供します。また、現場からの報告と題して、次回以降、受講生によって行われるミニプレゼンを、草野ゼミ在籍者が行います。次回、以降にミニプレゼンを行う希望者を募ります。なお、主題と目標でも触れているように、今年は3.11との関係で途上国援助を考える機会が多いと思います。積極的な発言を期待します。

    第2回 開発援助を知る(1)
    現場からの報告と題して、途上国について、草野ゼミ在籍者にミニプレゼンを、冒頭に行ってもらいます(質疑を含め最大15分)。第一回に続き、途上国に対する援助、協力とはなにかを、知識の前提なしに考えましょう。アンケート結果をもとに、君たちの国際協力像を明らかにし、議論を膨らませます。

    第3回 開発援助を知る(2)
    現場からの報告に続き、NHKブックスに登場する日本のプロジェクトの課題など、諸君に確認しつつ授業を進めていきます。途上国への援助は、技術的な部分がかなり多く、また、国際機関を中心に、かなり制度化(ルール)されているので、そうした点を整理しつつ進めていきます。

    第4回 開発援助を知る(3)
    現場からの報告に続き、日本が戦略的に、外交的にODAを用いた例などを
    紹介しつつ、こうした観点が果たして援助に適当なことかどうかも議論
    したいと思います。

    第5回 ODA以外の日本の国際協力
    この20年ほどの間に、ODAだけでなく自衛隊や警察の国際協力も一般的になってきました。まだ、その実態については、よく知らないのではないでしょうか。この点について制度を中心に論じます。

    第6回 援助をめぐるゲーム
    現場報告に続き、これまでやや理屈っぽい話が続いたので、援助政策を具体的に考えてみたいと思います。ある条件を与え、日本がどのように、とある途上国に対して、支援を行うべきか。考えます。時間があれば、平時の援助に加え、緊急時の援助についても考えたいと思います

    第7回 日本のODAと報道
    途上国の現場を直接見る機会は少ない。メディアを通して援助の現場を知ることになる。そのメディアは、どのように日本のODAを報じてきたかを説明する。

    第8回 途上国問題・別の視点(1)援助国間の競争と協調
    OECDのDAC(開発援助委員会)に加盟する20数カ国が行う援助がODAと
    されている。3年前に加盟した韓国は被援助国としての経験を有する。
    その韓国はどのような援助を展開しようとしているのだろう。

    第9回 途上国問題・別の視点(2)援助国中国をどう考えるか
    現在、援助の世界では、DAC未加盟の中国の存在が大きくクローズアップ
    されています。日本からの援助を受けつつ中国が世界各国の途上国に
    対して支援をすることに批判もあります。他方、中国は第三世界の
    リーダーとして、以前から途上国に援助を行ってきたのだから、
    ことさら、問題にすることはないとの見解もあります。諸君は
    どう考えますか?

    第10回 援助の政策や実施
    外務省ないしJICAからゲストをお招きし、援助の難しさを知る。

    第11回 ODA以外の日本の国際協力(1)
    自衛隊の海外活動が、本来業務に格上げされたことに見られるように、自衛隊の海外での復興支援活動はこれからも続く。1992年のカンボジア国連PKOからイラク特別措置法に基づく支援までの歴史を説明する。国際社会の「軍隊」の協力とどのような点が異なるかについても触れる。さらに、ODAとの連携についても論じたい。

    第12回 ODA以外の日本の国際協力(2)
    自衛隊で国際協力を経験した方々から、具体的にお話を聞く。

    第13回 NGOによる日本の国際協力
    日本の援助の担い手は、NGOの存在なしには考えられない。以前とは違い
    政府も積極的にNGOと連携しつつ援助を行おうとし、多くのNGOが政府と
    距離は置きつつも途上国支援で政府との協力を惜しんでいない。NGOの
    方々から話を聞く。

    第14回 日本の国際協力私はこう考える!
    13回終了後に提出してもらう小論の中から、何名かにプレゼンを
    してもらう。最終レポートのお題はこの時間に出す予定。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    最終レポート(A45枚程度)に加え、適宜行われる出席チェック、担当プレゼンの内容。クラスへの貢献度(発言回数など)。1回の小テスト(予告なしに行う可能性あり)。


5. 履修上の注意・その他

    授業の形式を了解したうえで履修をしてください。また、
    授業計画はあくまで「計画」です。必ずしも、この計画どおりに
    授業が進まない可能性もあります。


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    特にありません。ただし、開発はじめ国際効力に興味があることが大前提です。


8. 旧科目との関係

    「国際開発協力論B」「国際協力論」*これらの科目を進級、卒業あるいは修了に関わる科目の単位として修得済みの学生は、自由科目としての履修のみ可能。


9. 授業URL


2012-03-14 17:45:01.425694


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