KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


ネットワーク産業論 (夏野 剛

    2015年度春学期 月曜日4時限
    科目コード: C1038 / 2単位
    カテゴリ: 4.プログラム科目-併設科目(大学院)


1. 主題と目標/授業の手法など

    1990年代後半からの爆発的なインターネットの普及、およびコンピューターハード・ソフト技術の進化は社会・経済、そして国民の生活に大きな革新をもたらした。インターネットを通じた商取引の規模が拡大するとともに、製造、流通、マーケティング、販売チャネルといった企業行動のすべてのレイヤーで変化が起きた。企業の情報システムは革新的に進化するとともに、その情報がネットを通じて消費者にもアクセスできるようになることで、市場の情報の非対称性が緩和され、消費行動にも大きな変化を及ぼしつつある。また、ITによる技術革新は、証券市場の電子化、電子マネーの台頭、デジタルコンテンツ流通の拡大、電子機器のネット化、携帯電話のマルチメディア化など、数多くの社会経済現象を生み出し、それらの社会・経済全体に与えている影響は、まさに「革命」とも呼べる、大きな国民生活の変化を生み出している。
    IT革命は企業経営のあり方にも大きな課題を突きつけている。日本企業が強みとしてきた従来の経営システムが通用しなくなってきているのだ。情報の非対称性を前提としたピラミッド的人事システム、右肩上がりの経済成長を前提とした年功序列システム、企業内情報共有を最重視した家族主義とも言える終身雇用システムなどは、IT時代にはそぐわないものになってきているが、多くの大企業でこの根本構造の改革に手をつけられずにいるのもまた実態である。今、企業にはIT革命のスピードについていくための経営が求められているが、多くの経営者はITとは無縁の世代であるという矛盾も露呈している。
    本講では、IT革命によって「何が変わったのか」を、マクロ・ミクロの視点から幅広く概説し、その社会・経済的意義を再認識するとともに、弊害や負の側面についても触れていく。まさに受講者が、この十数年間、自ら実体験してきた社会変化のもつ、経済学的意義、経営学的意義、社会学的意義を説明し、ネットワーク産業論として体系的に概説していく。
    受講対象者は、将来IT産業に関る方だけでなく、あらゆる分野の経営、政策、研究に従事しようとする方とし、講義の内容も、ITを活用した経営手法といった方法論にとどまらないよう考慮していく。
    授業は、講義と演習からなるが、受講者のアクティブな参加(発言)を歓迎する。講義では、ゲストスピーカーによる実例研究も織り交ぜる。演習では、受講者グループを組み、各々テーマを決め、IT革命のもたらした変化を研究し、発表してもらい、それに基づく討議を行う。演習は個人レポートと代えることができる。


2. 教材・参考文献

    特になし。


3. 授業計画

    第1回 ITのもたらした社会変革(概論)
    ITが我々の社会にもたらした影響は計り知れない。本コース全体の底流とな
    る、政治・経済・社会・産業に対してITが与えた影響と変革について概説す
    る。

    第2回 教育産業の変化
    ITによる教育環境の未来をゲストスピーカーと共に考える。
    (ゲスト)アオイゼミ 石井貴基氏(株式会社葵代表取締役)

    第3回 IT環境の変化
    一口にITと言っても、さまざまな環境変化が起こっている。スマホ、ウェアラブル、Internet of Thingsなど最新の環境変化を概説する。

    第4回 ITによる産業革命
    各領域におけるITが起こした革命的変化を取り上げる。グループワークあるいはレポートの礎となることを企図する。

    第5回 メディアの変化(テレビの未来)
    ITによるメディア大変革に揺れるテレビの未来をゲストスピーカーと共に考える
    (ゲスト)有吉昌康氏(株式会社PTP代表取締役社長)

    第6回 グループワーク中間発表
    各グループが選択したテーマについてクラスに発表する。

    第7回 複雑系概論
    ITと密接な関連性のある複雑系の概念について概説し、議論する。

    第8回 インターネットベンチャー
    ITベンチャーの成長力、原動力は何なのか?
    ゲストを招聘し議論する。
    (ゲスト)熊谷正寿氏 (GMOグループ 代表)

    第9回 SNS(ソーシャルネットワーク)革命
    ソーシャルが何をどう変えたのか。ビジネスモデルはなんなのか。ソーシャルサービス全般を概説する。

    第10回 ITで起業をリアルに考える
    若者であってもハンデはない。20代で創業したSFC先輩経営者を招き、起業のリアルを考える。
    (ゲスト)平尾丈氏 (株式会社じげん 代表取締役)

    第11回 標準化の功罪
    IT産業にとって大きな意味を持つ標準化のプロセスについて概説し、理解を深める。

    第12回 最終発表その
    グループワークプレゼンテーション

    第13回 最終発表その
    グループワークプレゼンテーション

    第14回 最終発表その、そして最後のメッセージ。
    グループワークプレゼンテーション
    皆さんへの最後のメッセージ


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    (課題)
    ITによってさらなる変革が可能となる事案を発掘し、どう変革するとどのようなメリットが生まれるかをレポートしてください。
    (評価)
    クラスコントリビューション(30%)
    授業に関するミニペーパー及びゲストスピーカー感想(30%)
    グループワーク発表あるいは個人レポート(40%)


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2015-01-16 15:11:14.004943


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