KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


韓国地域論 (高木 丈也

    2017年度秋学期 火曜日4時限
    科目コード: C1119 / 2単位
    カテゴリ: 22.先端開拓科目-総合政策-国際戦略(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    ある国や地域において、朝鮮語がいかに使用されているかを社会言語学的な視座から分析するほか、言語それ自体が、多様な社会環境の中で、どのように継承され、民族アイデンティティと結びついてきたかを考察する。世界における朝鮮語話者の言語生活を考察していく中で、各地域の特殊性、普遍性を把握することはもちろん、朝鮮語圏をより高次なレベルから捉えられるよう目指したい。


2. 教材・参考文献

    教材は特には定めない。毎回の授業ではレジュメを配布する(参考文献もそこに示す)。また、授業中には、担当者が各地で撮影した写真や音声資料、ニュースなどの映像も使用する。


3. 授業計画

    第1回 イントロダクション
    (1)言語とアイデンティティ
       なぜ「言語」に注目するのか
    (2)社会言語学の諸領域
       真田他(2013)における8つの領域を概説
    (3)言語名称
       朝鮮語?韓国語?
       日本ではいつから教育されてきたか
    (4)言語使用地域と話者人口
       朝鮮語から世界を眺めてみると、何が見えてくるのだろう

    [訂正]
    1.真田真治先生のご所属
    奈良女子大学 → 奈良大学

    2.言語行動に関する説明
    中国人と朝鮮族の違いがわかる
    →漢族と朝鮮族の違いがわかる

    第2回 朝鮮語の概説
    9/26の続き
    (4)言語使用地域と話者人口
       朝鮮語から世界を眺めてみると、何が見えてくるのだろう

    以下、若干内容を変更しています(9/26)
    (1)朝鮮語の概説
       どのような言語として位置づけられるか
       朝鮮語○×クイズ
    (2)朝鮮語の方言
       方言は、どのぐらい存在するのか
      (言語の南北差はどの程度存在するのか)
       方言に対するイメージは、どの程度存在するか
       (日本語の方言イメージとも比較してみよう)
    (3)知っておきたい朝鮮語フレーズを紹介

    [訂正]
    ・○×クイズ5問目、方言に関する説明
    1950年代以前は国境線がなかった
    →1948年以前は・・・

    ※当初予定していた言語規範に関する話は、10/10, 17にする予定です。

    第3回 韓国
    10/03の続き
    SA紹介、発表担当者決め
    (3)知っておきたい朝鮮語フレーズを紹介

    (1)韓国の言語計画
       解放当初(混乱期)の言語状況は、どのようだったか
       ハングル専用論とは何か
       現在の政策は
    (2)韓国の言語変種
       方言を聞いてみる

    ※当初予定していた高木研究会のフィールドワークに関する話は、11/7にする予定です。

    [補足]
    (3)知っておきたい朝鮮語フレーズを紹介
    2つの「さようなら」についてはPPTの説明が正しいです:

    1)去る人に
      안녕히 가세요. アnニョngイ ガセヨ
    2)留まる人に
    안녕히 계세요. アnニョngイ ゲーセヨ

    第4回 北朝鮮1
    (1)北朝鮮の言語計画
       主体思想が言語計画に与えた影響は何だったか
       (金日成の教示からわかること)
       北朝鮮のサッカー中継を疑似体験する
    (2)北朝鮮の言語変種
       平壌文化語を聞いてみる
    (3)北朝鮮における外国語教育(言語習得)
       北朝鮮における外国語教育の目標とは
       北朝鮮で発行された英語の教科書を分析してみよう
       日本語/中国語/ロシア語の地位は

    第5回 北朝鮮2(ゲストスピーカーによる講演)
    レインボー通商代表 宮川淳氏「今、北朝鮮に思うこと」
    ※第4回の授業内容をしっかり聞いて、講演を聞くようにしよう。

    【宮川氏からの補足】
    宮川です。先週の「3.ミサイル・核実験について」の中で、並進路線の話をしましたが、以下の点を言い忘れました。近年の北朝鮮における国防費の減少についての話を少し補足をさせていただければと思います。

    2013年3月の朝鮮労働党全員会議で「経済建設と核武力建設の併進」を基本路線として採択以降、国家予算に占める国防費の割合が年々減ってきているということを朝鮮社会科学院の学者が、今年7月訪朝の主体(チュチェ)思想研究会代表団に具体的な数字をあげて説明しています。

    核武力と経済の両方を並進させることによって、兵器、兵員を何十万人と晴らすことができて、結果、国防費は年々減少しているということです。

    現政権下で今後もこの傾向は続いていくでしょう。

    第6回 中国1
    (1)中国朝鮮族の来歴、言語接触、言語変化
       どのような経緯、経路で中国に移住、定着したか
       中国政府の朝鮮族(少数民族)への政策は、どのようなものだったか
       彼らのアイデンティティはどのように変遷したきたか
    (2)中国朝鮮族の言語計画、言語行動
       朝鮮族の言語は、韓国の言葉に近いのか、それとも北朝鮮の言葉に近いのか
       中国朝鮮語における規範問題とは
       街や学校での言語使用は

    第7回 中国2
    ※次回の授業の冒頭で、中国朝鮮語によるテレビ放送、中国朝鮮語話者の会話を聞いてみましょう。

    (1)中国朝鮮族の言語生活/言語意識 
       −東北3省以外の朝鮮族コミュニティの紹介
      ※睫擇虜廼瓩慮Φ罎糶睫攜Φ羃顳藤廚力辰
    (2)中国朝鮮族の言語習得(教育)
    −朝鮮族学校の紹介
       −急激な社会の変化の中で、彼らが抱えている葛藤とは
       −言語とアイデンティティの問題を再考する
    (2)移動する朝鮮族
       学生による発表(文献は担当者が指定した中から選ぶ)

    第8回 中国3
    (1)移動する朝鮮族
       学生による発表(文献は担当者が指定した中から選ぶ)
       高木の最近の研究について

    第9回 中央アジア、ロシア
    (1)高麗人の来歴
       中央アジアの村で発見!こんなところに朝鮮民族
       中国朝鮮族との違いは
       強制移住、ペレストロイカ以降の高麗人の移動は
    (2)高麗人の言語生活、言語計画
       彼らは朝鮮語をどのように継承してきたか
       ロシア/中央アジア国家群の少数民族政策は

    第10回 日本1
    (1)在日コリアンの来歴
     植民地時代〜戦後〜現代に至る日本の在日コリアン政策とは
     (歴史をふまえたうえで)在日コリアンの定義とは
     「韓国籍」と「朝鮮籍」の違いは
     「帰化」をすることへの様々な葛藤とは

    第11回 日本2
    (1)日本におけるコリアタウン
       新大久保と鶴橋の紹介
       高木研究会が2016年11月と、2017年秋に行なったフィールドワークの話
       大学院プロジェクトが2017年秋に行なったフィールドワークの話
    (2)言語習得
       在日コリアンの民族学校では、どのような教育を行なっているのか

    第12回 日本3
    (2)言語習得◆言語生活、言語教育
     学生による発表 その1(文献は担当者が指定した中から選ぶ)
     学生による発表 その2(文献は学生たちが自由に選ぶ)

    ※期末レポートに関する説明

    第13回 日本4(ゲストスピーカーによる講演)
    東京大学教授 生越直樹氏「未定」
    ※第10〜12回の授業内容をしっかり聞いて、講演を聞くようにしよう。

    第14回 アメリカ
    (1)在米コリアンの来歴
       なぜ彼らは、太平洋を渡ったのか
       ロサンゼルス/ニューヨークのコリアタウンの紹介
    (2)在米コリアンの言語生活
       コリアタウン内部の言語使用は
       言語能力、バイリンガリズムの程度を中国朝鮮族と比較してみよう
    (3)在米コリアンの言語教育
       どのような学校があるのか
    (4)世界の朝鮮民族(まとめ)
       この授業で私が伝えたかったこと

    ※期末レポートの提出


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    出席や授業への貢献度(=リアクション・ペーパーや発言、発表)、学期末レポートにより総合的に評価する。


5. 履修上の注意・その他

    1.毎回の授業で配布するレジュメは、基本的に日本語により作成されている(ただし、参考資料として朝鮮語/英語/中国語の資料を配布することがある)。

    2.ゲストスピーカーの招聘を2回予定している(うち1回は未定)。

    3.学期中に数回、学生による発表の機会も用意する。ただし、履修者数が多い場合は、立候補制とするので、積極的に参加してほしい。

    4.講義形式ではあるが、常に受講生諸君との対話を重視していきたい。リクエストや意見、感想があったら、大いに発言してほしい。なお、この授業は履修者数が多かった場合でも、以下のような方法をとって学生のコミュニケーションの機会を確保する:

     ・授業中に適宜、コメント、質問の時間を取る。
     ・授業の最後にリアクション・ペーパーを書く時間を設け、面白いコメントは次週の授業の初めに紹介しながら、フィードバックをする。

     なお、上記のような方針から、授業計画は、受講生の興味、関心に応じて、変更されることがある。

    5.出席停止の場合を除き、欠席者に特別措置を講じることはできないので、遅刻、欠席に際して担当者、SAに連絡をする必要はない(電車遅延、體育會の試合などの場合も同様)。


6. 前提科目

    講義を十分に理解するためには、朝鮮語の基礎知識があることが望ましいが、本講義の内容に関心がある学生であるならば、この限りではない。


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2017-06-24 18:55:50.035215


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