KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


ネットワーク産業論 (夏野 剛中島 博敬

    2017年度春学期 
    科目コード: 65100 / 2単位
    カテゴリ: 4.プログラム科目-併設科目(大学院)


1. 主題と目標/授業の手法など

    過去20年の爆発的なインターネットの普及、およびコンピューターハード・ソフト技術の進化は社会・経済、そして国民の生活に大きな革新をもたらした。インターネットを通じた商取引の規模が拡大するとともに、製造、流通、マーケティング、販売チャネルといった企業行動のすべてのレイヤーで変化が起きた。企業の情報システムは革新的に進化するとともに、その情報がネットを通じて消費者にもアクセスできるようになることで、市場の情報の非対称性が緩和され、消費行動にも大きな変化を及ぼしつつある。また、ITによる技術革新は、証券市場の電子化、電子マネーの台頭、デジタルコンテンツ流通の拡大、電子機器のネット化、携帯電話のスマホ化、近年ではIoT、人工知能(AI)の実用化など、数多くの社会経済現象を生み出し、それらの社会・経済全体に与えている影響は、まさに「革命」とも呼べる、大きな国民生活の変化を生み出している。
    IT革命は企業経営のあり方にも大きな課題を突きつけている。日本企業が強みとしてきた従来の経営システムが通用しなくなってきているのだ。情報の非対称性を前提としたピラミッド的人事システム、右肩上がりの経済成長を前提とした年功序列システム、企業内情報共有を最重視した家族主義とも言える終身雇用システムなどは、IT時代にはそぐわないものになってきているが、多くの大企業でこの根本構造の改革に手をつけられずにいるのもまた実態である。今、企業にはIT革命のスピードについていくための経営が求められているが、未だに大企業の経営者はITとは無縁の世代であるという矛盾も露呈している。
    本講では、IT革命によって「何が変わったのか」を、マクロ・ミクロの視点から幅広く概説し、その社会・経済的意義を再認識するとともに、弊害や負の側面についても触れていく。まさに受講者が、この十数年間、自ら実体験してきた社会変化のもつ、経済学的意義、経営学的意義、社会学的意義を説明し、ネットワーク産業論として体系的に概説していく。
    受講対象者は、将来IT産業に関る方だけでなく、あらゆる分野の経営、政策、研究に従事しようとする方とし、講義の内容も、ITを活用した経営手法といった方法論にとどまらないよう考慮していく。
    授業は、講義と演習からなるが、受講者のアクティブな参加(発言)を歓迎する。講義では、ゲストスピーカーによる実例研究も織り交ぜる。演習では、受講者グループを組み、各々テーマを決め、IT革命のもたらした変化を研究し、発表してもらい、それに基づく討議を行う。


2. 教材・参考文献

    特になし。


3. 授業計画

    第1回 ITのもたらした大変革(概論)
    ITが我々の社会にもたらした影響は計り知れない。本コース全体の底流とな
    る、政治・経済・社会・産業に対してITが与えた影響と変革について概説す
    る。

    第2回 データで体感するIT革命
    過去20年感にわたるIT革命をデータと図表で理解する。

    第3回 UI/UX革命で業務効率を上げる
    ニュータイプのシステムベンダー。
    ゲストスピーカー;日下康幸氏 (株式会社アストロ数理ホールディングス代表取締役社長)

    第4回 ITによる産業革命
    IoT、ウェアラブル、Industry4.0など、さらに 拡がるITの世界を概説する。

    第5回 ビジネスをRecreateする。
    大手企業がITを使って本業と競合するサービスを創る
    ゲストスピーカー;北島昇氏(株式会社IDOM執行役員)

    第6回 グループワーク中間発表
    各グループが選択したテーマについてクラスに発表する。

    第7回 複雑系概論
    ITと密接な関連性のある複雑系の概念について概説し、議論する。

    第8回 SNS(ソーシャルネットワーク)と社会の変化
    ソーシャルが何をどう変えたのか。ビジネスモデルはなんなのか。ソーシャルサービス全般を概説する。

    第9回 VC(ベンチャーキャピタル)ってなに?
    ITの発展、イノベーションの推進に必要不可欠なVCについて開設する。
    ゲストスピーカー;塩野誠氏(株式会社経営競争基盤取締役マネージングディレクター)

    第10回 標準化の功罪
    IT産業にとって大きな意味を持つ標準化のプロセスについて概説し、理解を深める。

    第11回 最先端テクノロジーとプラットフォーム経営
    ゲストスピーカー;牧野正幸氏 (株式会社ワークスアプリケーションズ代表取締役CEO)

    第12回 AI(人工知能)の進化とITの未来
    AIの登場により社会はさらなるIT革命期を迎えつつある。AIの進化が社会に与える影響を考察する。

    第13回 最終発表その
    グループワークプレゼンテーション

    第14回 最終発表その◆△修靴萄埜紊離瓮奪察璽
    グループワークプレゼンテーション
    皆さんへの最後のメッセージ


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    (課題)
    現実社会で未だ実現していないが、ITを使って実現可能で、かつ大きなビジネスモデルの変化、経営の改革、社会サービスの充実のどれかをもたらすサービスモデル、ビジネスモデルを提示し、その実現可能性と効用について発表してください。

    (評価)
    クラスコントリビューション(20%)
    授業に関するミニペーパー及びゲストスピーカー感想(40%)
    グループワーク発表(場合により個人レポート)(40%)


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    特になし


7. 履修条件

    授業参加意識の高い受講者を期待します。


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2017-01-19 13:58:38.345204


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