KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


人体の健康と病理 (渡辺 賢治

    2017年度秋学期 木曜日1時限
    科目コード: B6156 / 2単位
    カテゴリ: 8.基盤科目-共通科目(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    病気は人体における恒常性が破綻することによって起こる。人体の基本的な機能を理解した上で、何がどう破綻することによって病気が生じるのかを系統的に理解する。
    履修者は病気について一通りの理解ができることを目標とする。
    授業は講義形式で行う。


2. 教材・参考文献

    ルービン カラー基本病理学 エマニュエル・ルービン著 河原 栄、横井 豊治、青木 一郎(翻訳)西村書店


3. 授業計画

    第1回 細胞死
    人体の構成単位である細胞は生体内に60兆個存在している。これらの細胞は常に増殖・細胞死を繰り返しながら人体を維持している。本講義では細胞が死ぬ過程を学ぶ。細胞死には大別して、外的要因によって細胞死に至る壊死と、細胞内のプログラムによって計画的に細胞死に至るプログラム細胞死がある。

    第2回 炎症、再生、治癒
    私たちがしばしば経験する炎症は、有害な刺激に対する免疫応答の結果として起こっている。また、人体は損傷を受けた組織を再生し、治癒するメカニズムも備えている。全身の組織に共通する炎症、再生、治癒の過程を学ぶ。

    第3回 腫瘍
    人体の細胞はお互いに制御しあいながら一部の細胞の過剰な増殖を抑制している。しかしながら、その監視機構が破綻したときに、腫瘍となる。腫瘍には良性のものと悪性のものがあるが、悪性腫瘍は免疫の監視機構も働かず、自己増殖し、自らさまざまなサイトカインを分泌しながら宿主である人体を死に導く。腫瘍の発生・増殖機構について理解する。

    第4回 感染症
    人類の歴史は感染症との闘いであったと言っても過言でなく、ペスト、天然痘など致死的な感染症により社会構造そのものが覆されることもしばしばあった。抗生物質の発達により感染症の制御が可能となったが、鳥インフルエンザなどの新興感染症が社会に取って大きな脅威となっている。本講義では人と感染症の関係を学習する。

    第5回 遺伝性疾患
    人体を制御するDNAはいわば設計図に相当する。この設計図を元にRNAに複製され、蛋白が合成される。疾患の中には設計図としてのDNAの異常や、環境によりDNAが破壊・修飾されて起こる疾患などがあり、こうした遺伝情報の破綻によって起こる疾患について理解する。また、遺伝子治療の最先端についても学習する。

    第6回 循環器系
    血液は酸素や栄養を運び二酸化炭素を肺から、また老廃物を肝臓で処理したり腎臓から排出することによって組織の代謝活動を支援している。血液を送り出す心臓が血液循環のコントローラーであるが、こうした循環器系の異常によって起こる疾患について学習する。

    第7回 免疫系
    生体は常に外部からの異物の侵入に備え、免疫系を発達させてきた。免疫系がうまく作動しないと生体防御機能が破綻し、感染症などに対する抵抗力がなくなる。また、逆に免疫系が過剰に反応することによって膠原病などの自己免疫疾患やアレルギー反応が起こる。免疫系の異常によってもたらされる疾患について学習する。

    第8回 呼吸器系
    人体を維持するために必要な酸素を外から取り込み、体内で発生した二酸化炭素を排出する機能を有するのが呼吸器系である。体外とつながっていることもあり、外界からの異物に曝される場所でもあり、異物排除の機構が働いている。高齢化に伴い、肺の慢性疾患が増えており、社会的問題になりつつある。本講義では呼吸器系の異常に伴う疾患について学習する。

    第9回 消化器系1:口腔〜消化管
    人体は生きるためにエネルギーとしての食物を口から摂取し、栄養分を吸収して肛門から排泄する。その過程にある食道、胃、小腸、大腸はそれぞれの機能が異なっており、それに応じて疾患も異なる。本講義ではそれぞれの部位別の疾患について学習する。

    第10回 消化器系2:肝臓、胆嚢、膵臓
    消化器と呼ばれる臓器には食物を運ぶ消化管のほか、消化管につながっている臓器がある。消化を助ける膵臓であったり、異物処理を行う肝臓やそれらを胆汁として腸管に排泄する胆道系であったりする。本講義ではこれらの臓器における疾患について学習する。

    第11回 泌尿器系、生殖器系、乳腺
    泌尿器系、生殖器系、乳腺についての疾患について学習する。高齢社会になり、男性であれば前立腺肥大および癌が増加している。一方食生活の欧米化に伴い乳癌も増加している。こうした疾患についての基本的知識を学ぶ。

    第12回 内分泌系
    生体の恒常性を維持する液性因子として内分泌系の働きは欠かせない。ホルモンと呼ばれることもあるが、甲状腺、副腎などのほか、消化管や脂肪組織からもホルモンが分泌される。内分泌系の異常に伴う疾患を学習する。

    第13回 筋・骨格系
    人体を保持するためのものとして筋・骨格がある。筋肉の疾患には遺伝的なものや自己免疫の疾患がある。骨格系の疾患には骨肉腫などの腫瘍のほか、高齢化に伴い退行性変化による疼痛がある。本講義はこうした疾患について学習する。

    第14回 皮膚、神経系
    皮膚・神経は人体発生の過程ではともに外胚葉系の組織であるが、その機能はずいぶんと異なる。神経系の疾患としては遺伝的なものと神経変性に伴うものがある。皮膚疾患も多彩な病巣を呈するが、日常よく見られるのは真菌症と湿疹である。こうした皮膚・神経系の疾患について学習する。


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    毎回出席を兼ねた確認テストを行う。それに加え最終試験の結果で評価する。出席回数が9回に満たないものはDとする。毎回のテストの合計でS、A、B、C、Dの評語を与える。
    評語タイプ:S/A/B/C/D


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2017-08-28 13:24:06.036638


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