KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


東西医療の融合 (渡辺 賢治

    2017年度秋学期 木曜日2時限
    科目コード: C2047 / 2単位
    カテゴリ: 10.先端科目-環境情報系(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

    東洋文化に根付いて発展した東洋医療と西洋文化に根付いて発展した西洋医療は異質にも思えるが、患者を治すことを最終目的としている点は共通している。
    本科目では、東西医療の長所・短所を理解して、どのように組み合わせることで、国民・社会に最大限の利益をもたらすことができるかを理解することを目標とする。


2. 教材・参考文献

    渡辺 賢治 漢方医学 講談社選書メチエ 講談社
    渡辺 賢治 日本人が知らない漢方の力 祥伝社新書
    渡辺 賢治 マトリックスでわかる! 漢方薬使い分けの極意 南江堂


3. 授業計画

    第1回 世界の伝統医療
    世界には中国を起源とする東アジア伝統医療、古代ギリシャをルーツとしてアラブに広がったユナニ、古代インドを起源とするアーユルベーダのほか、アーユルベーダと仏教医学が融合したチベット医学などがある。これら伝統医療について学習する。

    第2回 医学の歴史(東洋医療)
    一方東洋医学は古代中国を起源としているが、その発生には謎も多い。例えば鍼灸のつぼは5000年前のヨーロッパにおけるミイラ、アイスマンに既に痕跡が見られ、その起源については興味深い。薬物療法、鍼、灸はそれぞれ起源を異としており、それがどのように現在のような形に変遷していったかについて学習する。

    第3回 医学の歴史(西洋医療)
    西洋医学は現在では病理概念を基本として、病気をみる医学体系となっているが、ヒポクラテスの時代には人間を見る医学として、漢方と近い概念が多々ある。中世ヨーロッパにおける解剖学ならびに生理学の発達により、徐々に現在のような医療の形が作られてきた。

    第4回 鍼灸医学
    鍼灸も薬物治療(漢方薬)同様に日本独自の発展を遂げており、日本伝統医療のひとつである。現在世界的には中国の鍼が圧倒的シェアを占めているものの、日本の繊細な鍼灸への需要は多く、今後脚光を浴びるものと考えられる。鍼灸の身体観や治療理論、治療用具および手技について概要を学ぶ。

    第5回 世界における伝統医療政策
    伝統医療見直しの兆候は世界的である。伝統医療政策を持つ国は年々増えており、それぞれの国において独自の政策がある。医師ライセンスについても中国では西洋医療、伝統医療で分かれているが、伝統医療を学ぶ医師は西洋医療の知識を身につけるように教育される。韓国では両医療のライセンスは全く分かれており、融合の兆候を見せない。日本においては西洋医療が主流であり、医師ライセンスも一つしか存在しない。

    第6回 東アジアにおける伝統医療
    古代中国を起源としていながら、日中韓の医療は長い歴史の中で似て非なるものとなっている。中国は西洋医学の影響を受けた体系を維持しつつ伝統医療を行っている。韓国では体質医療である四象医学が特徴的である。日本の漢方は実践的であり、余計な理論が否定された形で発展してきている。これら日中韓の医療について学習する。

    第7回 日本における伝統医療
    日本における漢方医学は鎖国をしていた江戸時代に現在のような形に変化してきた。さらに昭和の医師たちが西洋医療との融合を目的に近代化を図った。今では90%の医師が漢方を日常的に用いるようになった。

    第8回 漢方医学の概念
    漢方は個別化医療であり、「証」という独特の診断体験を持つ。西洋医療における病名と証との相違について学習する。

    第9回 漢方医学の診察法
    漢方の診察法も特殊であり「四診」と呼ばれ、望診、聞診、問診、切診からなる独特診断体系を有する。それぞれの診察法について学習する。

    第10回 消化器・呼吸器領域における東西医療の役割
    日常よく見られる疾患として、胃炎、下痢、便秘、風邪、気管支喘息における東西医療の役割について学習する。

    第11回 婦人科領域における東西医療の役割
    漢方が得意とする領域に婦人科疾患が挙げられる。月経困難症、月経前症候群、更年期障害などにおける東西医療の役割について学習する。

    第12回 超高齢社会における東西医療学の役割
    超高齢社会を迎えたわが国で漢方医療に対する関心が高まっている。高齢者の抱えるさまざまな問題に対する東西医療の役割について学習する。

    第13回 がん治療における東西医療の役割
    超高齢社会においてがんは増える一方である。漢方はがん治療の補助療法として西洋医療の支援をしたり、緩和ケアにおける生活の質の向上のために期待されている。がん治療における東西医療の役割を対比しながら学習する。

    第14回 東西医療融合の課題
    討論


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

    出席および最終試験の結果で評価する。履修者の評語は、最終試験の結果に出席点を加味して評語を与える。
    評語タイプ:S/A/B/C/D


5. 履修上の注意・その他

    なし


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2017-08-28 13:25:24.651284


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