KGC


慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)


経営戦略 (琴坂 将広

    2018年度春学期 水曜日1時限,水曜日2時限
    科目コード: B6055 / 2単位
    カテゴリ: 8.基盤科目-共通科目(学部)


1. 主題と目標/授業の手法など

     本講義は、個人学習を中心とした講義科目である。履修者は各自指定された論文や書籍を読み込み、そこで得た発見や疑問を講義での講師の解説と照らし合わせることで普遍的な知識と昇華する。
     特に経営戦略に焦点を当て、社会科学としての経営学がどのようにそれを探求しているかを、経済学の系譜に属する研究の成果を紐解くことから理解する。同時に実学としての経営学の視点から、経営戦略立案においてどのような活動が行われているかを、フレームワークと事例を学ぶことから理解し、それを実務に役立てる能力を培う。
     グループワークや討議は最小限として、逆に個々人が個別に文献を読み込み、理論を理解する事に時間を投資する事を望む。授業ではできるだけ多くの概念や理論を紹介するが、限られた授業時間ではすべてに関して丁寧に解説する事は困難である。個別の理論の詳細に関しては、個々人が興味関心に応じて深掘りし、個別学習によって理解していく事を前提としている。
     なお、講義期間中に一回のゲストスピーカーセッションを実施する可能性がある。


2. 教材・参考文献

    本講義の内容はハーバードビジネスレビューオンラインで連載中し。こちらを参照されたい。
    http://www.dhbr.net/category/keieisenryaku_wo_yomitoku

    別途授業開始時に指示するが、以下の記事は本講義の考え方の背景として参考となる。
    琴坂将広. 2015. IoTで組織の境界線は変わる. DIAMOND Harvard Business Review, Issue/ Jan 2016:106-110.
    琴坂将広. 2015. 外部資源活用による事業成長の加速 - 中小企業でありながら世界的な事業を展開する. 調査月報 655(86):38-43.
    琴坂将広. 2014. 組織の意味を再定義する時 企業は創造性と生産性を両立できるか. DIAMOND Harvard Business Review, 39(11): 38-51.


3. 授業計画

    第1回 1(導入-授業紹介)社会科学としての経営戦略と、実学としての経営戦略−理論vs事象
    経営戦略を経営学者がどのように探求しているのか。経営戦略を実務家がどのように探求しているのか。その違いを紐解く事から、理論と現象のせめぎ合いを理解する。

    第2回 1(導入-歴史的経緯)経営戦略の歴史的発展
    経営戦略という概念がいつ頃発生し、それがどのように発展してきたかをについての歴史的な経緯を理解する

    第3回 2(外部環境-研究)SCPの発展
    外部環境を理解する際に必要な概念として、SCP理論を中心に、制度の議論まで含めて、経営戦略を実行する経営環境を理論的にどのように理解すればいいのかを議論する

    第4回 2(外部環境-実務)外部環境を検討する
    ファイブフォース分析やPESTLE分析など外部環境を分析する基本的なフレームワークを紹介しながら、また実際の事例をもとに企業経営者がどのように経営環境を把握するかを理解する

    第5回 3(内部環境-研究)RBVの系譜
    企業の内部の環境を理解するべく形成された資源ベース理論の系譜をたどり、それが知識や能力の理解に発展していく過程を追う事で、経営戦略を企業の内部環境を軸にどのように理論化できるかを議論する

    第6回 3(内部環境-実務)内部環境を検討する
    コアコンピタンスや競争優位の創造といった実務家に向けて発信されるフレームワークやコンセプトを理解した上で、内部環境の整備において実務家がどのような打ち手を実行しているかを理解する

    第7回 4(事業戦略-研究) SCP vs RBV
    外部環境の分析(SCP理論)と内部環境の分析(資源ベース理論)を組み合わせた時に、どのような学術的議論が発生するかを紐解き、それをどのように融合すればいいかを議論する

    第8回 4(事業戦略-実務)事業戦略を検討する
    標準戦略、ビジネスモデル、非市場戦略、ブルーオーシャン戦略といった実務家に向けて発信されるフレームワークやコンセプトを紹介した上で、競争とは何かを事例を紐解きながら考える

    第9回 5(全社戦略-研究)取引コストとリアルオプション
    特に経済学の視点から、取引コストとリアルオプションの考え方(予定・異なる理論を紹介する可能性もある)を紹介し、こうした理論を全社戦略の検討時にどのように応用できるかを紹介する

    第10回 5(全社戦略-実務)全社戦略を検討する
    プロダクトポートフォリオや事業シナジーといった基本的な考え方を理解した上で、事業の組み替えをどのように行えばいいのか、多角化の功罪とは何かを、実例を紐解く中から議論する(ゲストスピーカーの可能性あり)

    第11回 6(戦略実行-研究)インセンティブと組織フィールド
    特に経済学の視点から、インセンティブに関係する議論がどのように戦略の実行時に活用できるかを紹介し、それを組織フィールドの概念とともに議論する。

    第12回 6(戦略実行-実務)戦略の数値管理と組織文化浸透
    特に戦略の実行において不可欠となる数値管理と組織文化の役割を紐解き、また企業変革や戦略実行に成功した事例を紹介する事で、成果につながる戦略の実行とは何かを理解する(ゲストスピーカーの可能性あり)

    第13回 7(総括-研究)経営戦略研究の広がり
    最先端の経営戦略の研究では、歴史学、脳神経科学、ビデオ記録、コンピュターシミュレーションなど多様な手法や考え方が応用されている。その一例を紹介する事から、この研究領域の奥深さを学ぶ(ゲストスピーカーの可能性あり)

    第14回 7(総括-実務)経営戦略の未来
    競争優位は持続可能なのか。テクノロジーは戦略をどう変えるのか。IoTや人工知能がもたらす経営戦略へのインパクトを探る


4. 提出課題・試験・成績評価の方法など

     期末試験を行う。試験は講義で紹介された理論やフレームワークを履修者がどの程度理解し、応用できるかを評価する。従って授業内容の理解無く高評価を取る事は不可能である。試験は記述式として、12問の設問から3問を選択して回答する形式とする。回答言語は日本語または英語とする。
     また、授業の冒頭に、予告無く選択式の試験を実施する可能性がある。同様に授業への出席や授業中の発言内容も可能な限り評価に加える。

    評価方法は以下のとおり
    1 30% どれだけそれぞれの回答が明確に直接的に回答されているか。またそれが事実や事例、データに裏付けられているか。
    2 25% 授業で紹介した理論やフレームワークがどの程度理解されているか、また回答においてそれがどの程度応用されているか
    3 25% 回答の議論の質がどれだけ高いか。その主張がどれだけ論理的に強固に構成されているか
    4 20% 回答の記述がどれだけ明確でわかりやすい日本語/英語で記述されているか


5. 履修上の注意・その他

     授業言語は日本語であるが、将来的に完全英語化する可能性があるため、授業資料は英語にて作成される場合がある。また、経営戦略研究の最先端は英語文献でしか取得できないため、参考文献の大半は英語である。また履修者からの英語での質問に対しては、講師は英語で回答する。従って英語話者でも履修は可能である。
     本講義の履修者は、本科目と同時間帯の学期後半に開講される経営戦略特論を同時に履修する事を薦める。経営戦略特論は本講義でカバーしない国際経営戦略の実務に焦点を当てた講義である。(履修は必須ではない)


6. 前提科目

    なし


7. 履修条件

    なし


8. 旧科目との関係

    なし


9. 授業URL


2018-01-03 01:01:24.147361


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