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近代思想

お知らせ


科目名近代思想 [ シラバス ]


 なぜ人を殺してはいけないのか? なぜ電車の中で化粧をしてはいけないのか? なぜクローン人間の製造は禁止されなければならないのか? 安楽死や妊娠中絶の是非をめぐって、なぜ人びとは対立するのか? なぜ民主主義において一人一票が鉄則とされるのか? なぜ自然を大切にすることが良いことなのか? こうした問いのいずれを穿(うが)っていった場合でも、われわれは必ず、人間と世界をめぐる普遍的にして究極的な問題――哲学的問題――に行き着く。この授業はいわば、その岩盤のごとき問題をじかに自分の掌(てのひら)で叩いてみることへの誘(いざな)いにほかならない。
 はっきりさせておこう。これは専門科目でも、クラスター科目でもない。汎用共通基盤科目、つまりは「教養」としての「知」(=人間形成の知)を目的とする科目である。教養の科目である以上、ここでは、何かのプロ(エキスパート)を養成することはまったく念頭に置かない。目指すところはむしろ、アマチュアとしての人間(すなわち市民、知識人)にとって見識の核となるような知的感受性の涵養である。したがって、たくさんの知識を頭に詰め込むことよりも、論理的思考の錬磨や批判精神の覚醒を重視する。なにしろ、本当に重要な問題は、実は専門家なんぞに任せておけないのである。
 具体的内容についてはシラバスのほうを参照願いたいが、「近代思想」を形づくると同時に論争の焦点になることも多い諸概念(自由、個人、人権、愛、ネーション、学校、等々)の輪郭をできるだけ明瞭に照らし出すことをとおして、履修する皆さんとともに、人間とは何か、近代とは何か、という究極の問いの厳密化に努めてみたい。加えて、政治哲学史上のいくつかのポイントに遡及することで、現代世界を理解しようとするわれわれのアプローチに奥行きを与えることができればと考えている。
 いずれにせよこの授業は、「実学」を矮小化して「実用の学」と思い込んでしまっている人にとっては時間の無駄以外の何物でもないだろうし、他方、ある種の「現代思想」家の居丈高で衒学的なものの言い方に心酔する人や、言説の上でだけラディカルな脱構築のポーズをとる「批判的知識人」に憧れる人にとっては、はなはだ退屈なものでしかないだろう。


担当者 堀 茂樹
授業期間2005年春学期 木曜日4時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


授業ビデオとマテリアル
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第01回2005/04/14 はじめに+愛について
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第02回2005/04/21 人間とは何か(1)
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第03回2005/04/28 人間とは何か(2)
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第04回2005/05/12 自由と倫理(1)
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第05回2005/05/19 自由と倫理(2)
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第06回2005/05/26 個人か、主体か。
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第07回2005/06/02 主体か、個人か(2)
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第08回2005/06/09 人権とは何か
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第09回2005/06/16 普遍性と特殊性(1) - レイシズム/反レイシズムをめぐって
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第10回2005/06/23 普遍性と特殊性(2) - フェミニズムをめぐって
- 講義メモ(PDF) [公開終了]


第11回2005/07/07 近代を考える(1) - エコロジーの思想
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第12回2005/07/14 近代を考える(2) - 「美」の思想
- 講義メモ(PDF) [公開終了]


第13回2005/07/16 近代を考える(3) - Nationについて
- 講義メモ(PDF) [公開終了]



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