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比較文化E

お知らせ


科目名比較文化E [ シラバス ]
http://cce-cmkt-tpro.sfc.keio.ac.jp/

 「国民国家」をどのように見るかについては、大きくいって「近代主義」(それを近代の産物と見る立場)と「原初主義」(それを原初より不変の実体と見る立場)がある。本講は原則として「近代主義」の立場にたち、安易な「国民文化」論は展開しない。例えば、儒教を「中国文化」、茶道を「日本文化」とすることを、ただちに否定はしないものの、あくまでもカッコつきの言説として取り扱いたい。
 また、本講でいう「比較文化」とは、「中国文化と日本文化の比較」、「西欧文化と東アジア文化の比較」といった、ステレオタイプな比較論を指すものではない。更には、ハンティントンのように文明(文化)で世界を切り分け、「他者」の存在に紛争の危機を見て取るといった、ワシントン的世界観を展開するものでもない。分かりやすいオリエンタリズムを求めて受講すると、恐らくは失望することになる。
まずは、文化の存在する空間から、考えてみよう。ある文化は、グローバルな広がりを見せるであろうし、またある文化は、ごく狭い地域、ひょっとしたら一村落、一家庭内にのみ存在しているのかもしれない。それら異なる層に存在する文化を対置し、比較するばかりではなく、その相互作用についても考察する。一例をあげれば、国家の統治論理と、家庭の統治論理は、いかに相互影響し、いかに対立し、いかに収斂したか、といったことが問題になる。従って、本講の内容は、単なる「文化研究」ではなく、哲学、倫理学、宗教学、民俗学、歴史学、政治学、社会学、メディア論等にまたがる、学際的なものになるであろう。
講義は、以下の三名が交替で担当する。(コロン以下は専門領域。但し、氷上正教授については今期サバティカル休暇につき、講義を行うことができない。)
   氷上正:中国メディア論、映画演劇論
   川田健:中国哲学
   田島英一:中国地域研究
必然的に、考察対象は「中国」を中心とすることになる。ここであえて「中国」とカッコつきにしたのは、ウエストファリア的秩序の中に主権国家として立つ「中国」と、文化的にイメージされる「中国」とに間に、深刻なずれが存在していると考える、「近代主義的」立場からだ。文化の多層性を指摘し、その比較検討を行う中で、受講者諸君は「中国」という概念の曖昧さに気づくはずである。
この意味で本講の目的は、「中国文化」に関する既成の知識を提供するものではない。むしろ、既存の「中国」像を破壊し、受講者諸君に知の再構築を促さんがために、存在している。一年生諸君のために、その再構築作業には言語(中国語)能力が必要になるということをも、強調しておきたい。つまり本講は、一年生(四月生)受講者にとっては、秋学期開講のインテンシブ外国語へと至る、イニシエーションとしての意味をも持つ。
各教員の具体的講義内容については、第一回授業時において、自己紹介もかねつつ行いたい。概ね、
  田島:グローバル、リージョナル、ローカルな次元から見た時の、ナショナル・カルチャーとしての「中国文化」のあいまいさについて。
  川田:儒家思想という東アジアのリージョナルな文化と「中国文化」との関係。
といったテーマで、各人が講義を展開する。


担当者 田島 英一川田 健
授業期間2006年春学期 金曜日4時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


授業ビデオとマテリアル
受講したい回をクリックしてください。
第01回2006/04/14 ガイダンス
講義内容の説明等。


第02回2006/04/21 帝国の文化的多様性
- 講義資料(PDF)
田島担当:本来中国に存在する文化的多様性について、紹介してゆきます。


第03回2006/04/28 広東と、「中国」の設計図
- 講義資料(PDF)
田島担当:アンダーソンのいう「宗教共同体」の崩壊、資本主義の世界的拡
散にともなう「中華民族」の形成と、そこに果たした文化の役割を考えま
す。


第04回2006/05/12 大衆の「文化」と、「文化」の大衆化
- 講義資料(PDF)
田島担当:マルクス・レーニン主義が「中華民族」観にもたらした影響、改
革開放期における「文化論」ブームと「愛国主義」の再構築、および大衆ナ
ショナリズムが日中関係に与えた影響などについて考えます。


第05回2006/05/19 「民」の周縁化と引き裂かれる「国民」
- 講義資料(PDF)
田島担当:強固に形成されたナショナルな言説を、どう脱構築し、相対化し
てゆくのか。「国家と社会」「普遍と特殊」「一元と多元」といった基軸か
ら、ここ数年の中国の変化を追って見ます。


第06回2006/05/26 「国民」の分裂が生んだ三つのナショナリズム
- 講義資料(PDF)
田島担当:主に昨今の「反日」言説に注目します。


第07回2006/06/02 同じ人間として向かい合うために
- 講義資料(PDF)
田島担当:ナショナリズムの言説をどうのりこえるか、その方法を模索しま
す。


第08回2006/06/09 前近代中国との対話
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。


第09回2006/06/16 中国における民本主義の意味
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。


第10回2006/06/23 儒家と諸子百家
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。


第11回2006/06/30 中華文明の拡張と衝突
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。


第12回2006/07/07 中国思想の2大体系(1)
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。


第13回2006/07/14 中国思想の2大体系(2)
- 講義資料(PDF)
川田担当:内容未定。



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