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現代と社会システム

お知らせ


科目名現代と社会システム [ シラバス ]
http://ilab.sfc.keio.ac.jp/2006/spring/socialsystem/

本講義の目的は、社会を「システム」として捉える視点を身につけることです。
ここで主に取り上げるのは、最新の「社会システム理論」(オートポイエーシスの社会システム理論)です。それによれば、
社会はコミュニケーションがコミュニケーションを連鎖的に引き起こすことによ
って成り立っており、その結果として動的な秩序が形成されていると捉えられます。
この捉え方によって、既存の社会諸科学では分析できない社会のダイナミックな
側面を理解することができます。さらに、この社会システム理論によって、個別の学問分野を超えた視点で社会を捉えることができるようになります(この理論を考案した社会学者ニクラス・ルーマンは、この社会システム理論を用いて、経済、政治、法、学術、教育、宗教、家族、愛などの幅広い対象を分析しています)。まさに社会システム理論は、総合政策学的な/超領域的なアプロ
ーチの新しい基礎論といえるでしょう。授業では、このほかにもF・
A・ハイエクの自生的秩序論や、J・A・シュンペーターのイノベーション論、
A・ハーシュマンの社会変革論なども取り上げていきます。情報化しグローバル化した現代社会において、これらの理論を理解することがますます重要になってきています。本講義で新しい視点を身につけ、社会の仕組みを知り、自分たちの未来をつくることにつなげていってほしいと思います。


担当者 井庭 崇
授業期間2006年春学期 火曜日3時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


授業ビデオとマテリアル
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第01回2006/04/11 イントロダクション
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
この授業の目標と全体像、進め方などを説明します。


第02回2006/04/18 社会システム理論の位置と特徴
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
「社会」が成り立っているというのはどういうことでしょうか? この問いは
古くから考えられてきたものですが、私たちはいまだに納得のいく答えを手
にしていません。現在、この問題を考えるための糸口として注目されている
のが、社会学者ニクラス・ルーマンの理論です。ルーマンは、ウェーバーや
パーソンズの問題意識とアプローチを踏まえつつ、さらにシステム理論の新
しい成果を取り入れて、社会システム理論を構築しました。授業では、ルー
マンの社会システム理論が、社会学やシステム理論の中でどのような位置に
あり、どのような特徴をもっているのかを解説します。


第03回2006/04/25 コミュニケーションとメディア
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
私たちは日々ざまざまなコミュニケーションを行なっていますが、コミュニ
ケーションというものは本来、成立が困難なものです。なぜなら、コミュニ
ケーションの成立には、いろいろな不確実性がつきまとっているからです。
このような不確実性を確実性へと変換することが「メディア」のもつ役割で
す。授業では、コミュニケーションの本質について考え、コミュニケーショ
ンの不確実性とそれを支えるメディアの種類について取り上げます。


第04回2006/05/09 オートポイエーシスのシステム理論
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
社会システム理論では、社会の構成要素は「コミュニケーション」であると
いいます。先行するコミュニケーションが次のコミュニケーションを生み出
し、さらに次のコミュニケーションへと接続していきます。社会とは、この
ようなコミュニケーションの連鎖による「オートポイエーシス」(自己創
出)のシステムになっているというわけです。授業では、「オートポイエテ
ィック・システム」とはどのようなシステムなのかを解説します。


第05回2006/05/16 経済システム(1)
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
経済の機能を社会システム理論の観点で捉え直します。経済システムでは、
「支払い」という経済的コミュニケーションが絶えず生み出され、連鎖して
いると捉えることができます。この経済的コミュニケーションを支えるコミ
ュニケーション・メディアが貨幣です。このような捉え方で、経済学の従来
の概念である価格、市場、希少性、貨幣、欲求などを解釈し直します。ま
た、意思決定や制御の問題についても考えます。


第06回2006/05/23 経済システム(2)
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
経済の機能を社会システム理論の観点で捉え直します。経済システムでは、
「支払い」という経済的コミュニケーションが絶えず生み出され、連鎖して
いると捉えることができます。この経済的コミュニケーションを支えるコミ
ュニケーション・メディアが貨幣です。このような捉え方で、経済学の従来
の概念である価格、市場、希少性、貨幣、欲求などを解釈し直します。ま
た、意思決定や制御の問題についても考えます。


第07回2006/05/30 法システム/政治システム
- 講義資料(PDF)
- 配布資料(PDF)
法の機能と歴史的変化を社会システム理論の観点で捉え直します。法システ
ムでは、「合法か不法か」という法的コミュニケーションが生み出され連鎖
していきます。このような捉え方で、法の機能や「正義」、「裁判」などの
概念を捉え直します。また、法システムと経済システムを結びつける「所有
権」や「契約」、法システムと政治システムを結びつける「憲法」や「国
家」についても、歴史的な観点で考察します。


第08回2006/06/03 宮台真司氏対談「方法としての社会学」〜実践、道具、共通言語として〜
- 講義資料(PPT)
授業内容に関連するゲストスピーカー講演を予定しています。


第09回2006/06/06 マスメディアとコミュニケーション
- 講義資料(PDF)
マスメディアの機能を社会システム理論の観点で捉え直します。ここでいう
マスメディアとは、複製手段を用いてコミュニケーションを伝播する社会装
置のことです。新聞や本、雑誌のほかに、電子データも含まれます。マスメ
ディアに情報として取り上げられるのには、「ニュース」か「広告」、「娯
楽」という3つの基準があります。これのいずれかに該当する場合には、マ
スメディアによってコミュニケーションの連鎖が引き起こされる可能性があ
ります。このような捉え方で、現代社会におけるマスメディアのリアリティ
に迫っていきます。


第10回2006/06/13 芸術システム
- 講義資料(PDF)
芸術の機能と歴史的変化を社会システム理論の観点で捉え直します。芸術
は、「芸術によるコミュニケーション」や「芸術についてのコミュニケーシ
ョン」からなるシステムです。芸術作品は、コミュニケーションの手段とし
て制作されます。造形芸術においては素材を用い、舞踏においては身体を用
い、詩においては言葉を用いるわけです。しかし、それが芸術であるのは、
物としての性質ではなく、芸術のコミュニケーションとしての性質によるも
のです。授業では、芸術の機能の特徴と、その歴史的進化についてお話しし
ます。


第11回2006/07/04 愛とコミュニケーション
- 講義資料(PDF)
愛についての歴史的変化を社会システム理論の観点で考えます。近代社会は
個人化の時代だといわれますが、単に分断されるだけでなく、ごく少数の人
との「親密な関係」を育み深化させる可能性ももつことになりました。印刷
技術の発明によって小説が普及し、それを通じて人びとの愛についての観念
や感情は進化し、友愛とは異なる異性愛を方向づけることになったのです。
情熱としての愛への歴史的変遷に、社会分化理論、コミュニケーション・メ
ディア理論、および進化理論を駆使してアプローチします。


第12回2006/07/11 宗教、学問、教育+総括
- 配布資料(PDF)
- 講義資料(PDF)
宗教の機能を社会システム理論の観点で捉え直します。機能的にみるなら
ば、宗教も他のシステムを決定する優位性を持ってはおらず、ひとつの社会
現象として捉えることができます。また、授業では、学問の機能も社会シス
テム理論の観点で捉え直していきます。学問では、「真」か「真でない」か
の区別が問題となり、それをめぐってコミュニケーションが展開されます。
いずれも印刷術の発明によって大きな影響を受けたという点について、取り
上げます。


第13回2006/07/11 宗教、学問、教育+総括
- 配布資料(PDF)
教育の機能を社会システム理論の観点で捉え直します。歴史的にみると、以
前は「こども」は、まだ小さく成熟していない人間だと見なされていたの
で、教育はこどもの成長を導き、堕落を防止しなければならないということ
になっていました。しかし、現在では、こどもの理解を考慮し、子どもに適
した教育を導き出すということが考えられるようになってきました。授業で
は、教師と学生の相互のコミュニケーションによって生成される教育につい
て考えます/これまでの授業を振り返って総括を行います。





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