授業の目標と全体像について説明します。そして、今なぜ、複雑系の視点と モ デリング・シミュレーションの技法が重要なのか、ということを理解しま す。
解析的に解くことができない現象に対して、シミュレーションによる分析・ 理 解が有効であることを理解します。授業では、空港の待ち行列モデルとカオ ス 生成モデルのシミュレーションを体験します。
世界の複雑さはどのようにして生じるのでしょうか。その複雑性の生成メカ ニ ズムとして、「カオス」の概念・理論を取り上げます。カオスとは、「規則 に 従っているにもかかわらず、不規則な振舞いをする」現象のことです。
集中的なトップダウンの管理がなされていないシステムであっても、相互作 用 によってボトムアップに秩序が形成され得ることを理解します。ここでは、 セ ル・オートマトンモデルと鳥の群れモデルを取り上げます。
社会における現象を、多数のエージェント(主体)の相互作用としてモデル 化 する「マルチエージェントモデル」の考え方を学びます。
モデリング・シミュレーションのツール(PlatBox Simulator および Component Builder)を用いて、実際にモデリングを行っていきます。この ツールを用いれば、いわゆるプログラミング(プログラミング言語によるソ ー スコード記述)をせずに、モデリングを行うことでシミュレーションモデル を 作成できます。
前回に引き続き、モデリングとシミュレーションの演習を行います。
非平衡な状態においては、個々の構成要素の自由は動的に変化しています が、 その全体レベルではある秩序が維持され得ることがわかっています。その秩 序 のひとつである「べき乗分布」について理解します。
非平衡な状態における「べき乗分布」生成のメカニズムと、「歴史」の重要 性 について理解します。
近年の研究で、神経回路網やWWWネットワーク、友人ネットワークなど、自然 と社会の様々なネットワークには共通の構造があることが発見されていま す。 そのなかで、「スケールフリーネットワーク」と「スモールワールドネット ワーク」の概念と形成原理について学びます。
複雑ネットワークに関連するモデリングとシミュレーションを行います。
前回に引き続き、複雑ネットワークに関連するモデリングとシミュレーショ ン を行います。
授業を振り返り、モデリング・シミュレーション技法と複雑系の考え方につ い てまとめます。