お知らせ |
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科目名 | 国際比較法制論
[ シラバス ]
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「イスラーム法 (シャリーア・イスラーミーヤ)」 について、 日本法あるいは西欧法との比較を念頭に置きながら、 その一般的な性質、 法源、 個々の法領域、 歴史などを紹介する。 イスラーム法は、 10億を越えるとされるイスラーム教徒の法であり、 国民国家あるいは主権国家を基本的な構成単位とすることなしに成立する法秩序であって、 民族や人種あるいは習慣や伝統の違いを乗り越える仕組みを有している。 したがって、 イスラーム法についての正しい認識は、 世界の5〜6人にひとりが属するイスラーム教徒の共同体およびその法のありように対する理解を正すばかりでなく、 全地球規模での公益を公平かつ公正に分配することが求められるこれからの国際社会の法を構築を考える上でも欠かすことができない。 アラビヤ語の専門用語の紹介・解説も積極的に行ないながら、 現代を代表するムスリム法学者の見解に依拠しつつイスラーム法の世界を概観したい。
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担当者 |
奥田 敦
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授業期間 | 2007年秋学期 火曜日4時限
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授業レベル |
学部 |
参考文献 |
参考文献リスト |
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 | 授業ビデオとマテリアル
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| 受講したい回をクリックしてください。
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第01回 | 2007/10/02 イスラーム法への招待
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レジュメ(PDF)
なぜ、イスラーム法なのか。現実からの観察では捉えることの難しいイスラ
ー
ム法を理解するための基本的な枠組みを提示しながら、イスラーム法研究の
必
須性と必要性を明らかにする。
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第02回 | 2007/10/09 イスラーム法への招待(2)
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レジュメ(PDF)
アラビヤ語で「法」を表す4つの言葉、シャリーア、フィクフ、カーヌーン、
フクムについて、それぞれの語義を明らかにするとともに、アッラーを立法
者
とするシャリーアとはいかなる法なのかを考察する。
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第03回 | 2007/10/16 イスラーム法の法源(I)
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レジュメ(PDF)
イスラーム法の構造上の特質に、法源論がある。聖典クルアーンと預言者ム
ハ
ンマドの言行であるスンナを不易不動の法源とする法の構造を明らかにす
る。
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第04回 | 2007/10/23 イスラーム法の法源(II)聖クルアーン(続き)
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レジュメ(PDF)
シャリーアに適った法発見の努力たるイジュティハードの構造的な必須性に
つ
いて考えるとともに、クルアーン、スンナのほか、イジュマーア、キヤース
な
ど人間の側が法発見の際に用いる個々の法源について紹介する。
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第05回 | 2007/11/06 イスラーム法の法源(III)イジュティハード的法源
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レジュメ(PDF)
イジュティハードの際に欠かすことのできない、シャリーアは何を実現しよ
う
としているのかという法の一般的目的について、その具体的内容である「福
利」の概念を紹介しながら考察する。
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第06回 | 2007/11/13 イスラーム法の法源(IV)法の一般的目的
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レジュメ(PDF)
イスラーム法とは何かをその一般的性質から明らかにする必要性を明らかに
す
るととに、その第1の特質である「天啓性」について考える。
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第07回 | 2007/11/27 シャリーアの一般的特質(I)
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レジュメ(PDF)
「倫理性」「事実性」について紹介する。
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第08回 | 2007/12/04 イスラーム法の一般的特質(II)
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レジュメ(PDF)
「人道性」「調和性」「包括性」について紹介する。
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第09回 | 2007/12/11 イスラーム法の一般的特質(II)(III)
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レジュメ(PDF)
礼拝、喜捨、斎戒、巡礼といった、アッラーの僕としての行為である「イバ
ー
ダート」について社会的効用を中心に考察する。
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第10回 | 2007/12/22 【12/18の補講】シャリーアの一般的特質(III)
所有権、契約のシャリーア的基本を紹介するとともに、婚姻、相続などイス
ラーム諸国において現行法としても取り入れられている法領域についても紹
介
する。
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第11回 | 2007/12/22 【1/8の補講】シャリーアの一般的特質(III) /イスラーム法の諸領域(I)
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レジュメ(PDF)
シャリーアにおける、刑法、国際法、統治に関する法にかんしてその基本的
な
原則を明らかにするとともに、イスラーム圏における現行憲法とイスラーム
法
の関係についても考える。
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第12回 | 2008/01/15 イスラーム法史の中のイジュティハード/イスラームにおける人間と人権
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レジュメ(PDF)
イスラーム法における人間像を西側の法における人間像と比較しながら、イ
ス
ラームにおける人権について考える。
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第13回 | 2008/01/15 イスラーム法の現代的課題
法と現実の乖離、イジュティハードの停滞、混乱などイスラーム法が抱える
問
題を指摘しながら、グローバル化時代の法としてのシャリーアのあり方を展
望
する。
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