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現代思想の世界

お知らせ


科目名現代思想の世界 [ シラバス ]
http://hori.sfc.keio.ac.jp/

SFCは実践を重視し、「問題発見・問題解決」を謳う学府であるが、何を、何故に「問題」と見なすのか、何をもって「解決」と判断するのかという、いわばメタレベルの「問題」は、科学や技術によっては「解決」できない。なぜならそれは、「発見」や「解決」の主体たらんとする人間自身の思想と価値観の問題、より端的にいえば実践哲学の問題だからである。早い話、なぜ人を殺してはいけないのか? なぜ自然を大切にすることが良いことなのか? なぜ個人の自由は尊重されるべきなのか? そもそも自由とは何なのか? といった問いを穿っていくと、われわれは常に、人間と世界をめぐる普遍的にして究極的ないくつかの問い ― 哲学的な問い ― に行き着く。この科目では、個人主義の先鋭化、技術主義の浸透、そしてグローバル化を三大特徴とするといってよいであろう現代世界の課題をいくつか取り上げ、関連する思想の背景と論点をいささかの批判的検討を交えながら紹介する。


担当者 堀 茂樹
授業期間2011年秋学期 木曜日3時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


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第01回2011/09/22 はじめに+「現代」とはいかなる「時代」か。
- レジュメ(PDF)
授業の趣旨、方針、計画を説明した上で、西洋思想史を振り返り、古代ギリ
シャ・ローマからキリスト教中世を経て、近代、そして近代の先鋭化として
の現代へと、人間観・世界観・価値観がどのように大きく移り変わってきた
かを大づかみに述べる。


第02回2011/09/29 序論(1):愛について、あるいは「かけがえのなさ」とは何か。
- レジュメ(PDF)
思想史家ツヴェタン・トドロフの所論を下敷きにしつつ、モンテーニュ、パ
スカル、サン=テグジュペリなどを援用しながら愛について考えてみる。唯
一無二性、つまり「かけがえのなさ」とは何なのか?それはどこに在るの
か?目的としての他者の発見、近代における個人の発見に言及する。


第03回2011/10/06 序論(2):主体、意識、無意識、そして他者という難問
- 講義メモ(PDF)
自覚的に思想し、行動しようとするならば、まず自らのことを、つまり主体
および主体性を ― 他者との関係において ― 問い直し、意識について、さ
らに無意識について考えてみる必要があるだろう。さらに、他者をどう表象
するかという現代的な課題も取り上げたい。


第04回2011/10/13 序論(3):自然、文化、そして人間
自然とは何か。文化とは何か。機械と人間、動物と人間、自然と文化の間
で、人間は定義され得るか。普遍的なHuman Natureは存在するか?仮にそれ
が存在するなら、それと人類の民族的ないし文化的な多様性の関係はいかな
るものか?伝統的な人間主義の問題点も考えてみたい。


第05回2011/10/20 倫理(1): 精神と物質、あるいは自由をめぐって
- 講義メモ(PDF)
- 実存主義とは何か・抜粋(PDF) 【履修者限定】
- 純粋理性批判・抜粋(PDF) 【履修者限定】
- 人間不平等起源論・抜粋(PDF) 【履修者限定】
古代哲学以来、唯心論と唯物論はせめぎ合ってきたが、現代では、生物学・
脳科学に支えられる唯物論にほとんど軍配が上がっているようだ。それな
ら、人間の自由意思、意志の自律性は幻想なのだろうか。唯物論と「自由の
哲学」の対立を検討する。


第06回2011/10/27 倫理(1): 精神と物質、あるいは自由をめぐって(2)/倫理(2): 幸福の道徳とその問題点
米国を中心に現代世界で優勢になっているかに見える功利主義の道徳観を検
討する。幸福を至上の価値とする古代の目的論的倫理(アリストテレス)
と、それに対するカントの批判を要点を把握した上で、近代以降の功利主義
に対するロールズらの批判を紹介する。


第07回2011/11/17 倫理(3): 義務の道徳と現代世界
- 人倫の形面上学の基礎づけ・抜粋 【履修者限定】
近代を義務論的倫理に最も厳密な形を与えたカントの道徳哲学の要諦を示
し、解説した上で、現代世界においてはそのような克己的道徳は黄昏を迎え
ているという説を検討し、自律を目指す人間主義と、独立を目指す個人主義
の違いに注目する。


第08回2011/12/01 倫理(4):倫理の「基礎」をめぐって
道徳あるいは倫理が国や地域により、また時代により異なるのだとすれば、
この領域の議論は相対性を免れぬ「神々の闘い」(M・ウェーバー)だという
ことになる。どのような「基礎」を与えれば、倫理を普遍性の地平へ開くこ
とができるのだろうか。


第09回2011/12/15 政治(1): 民主主義、あるいは市民とは何か。
- 講義メモ(PDF)
まず、政治哲学 ― 政治(科)学ではない ― とは何であるか、過去にどの
ような問題に取り組んできたか、現在どのような問題に取り組んでいるかを
述べる。次に、現代民主主義社会において、一方では個人主義のますますの
進展を、他方では民族的or文化的or宗教的共同体の自己主張をどう扱うべき
かという問題を取り上げる。


第10回2011/12/22 政治(2): 法、人権、正義
- 講義メモ「法・人権・正義」
〈法・権利〉とはどういうものであり、何に基づくのか、法律とはどう異な
るのかを明らかにする。人権の理念、定義、そして三つの「世代」を確認
し、国家との関係を説明する。また、人権の両義性(個人の人権vs主体の人
権)や、現代における人権の困難(平等vs差異)を指摘する。


第11回2012/01/12 政治(3): 同一性と差異 ― 二つのレイシズム&反レイシズム ― (1)
いわゆる「差別」および反差別運動に関連して、二つのレイシズムと二つの
反レイシズムを見出し、そこから、同一性と差異、普遍性と多様性について
深く考えてみる。フェミニズムをめぐる議論や、ナショナリズムをめぐる議
論にも一石を投じることになるはずだ。


第12回2012/01/14 政治(3): 同一性と差異 ― 二つのレイシズム&反レイシズム ― (2)
いわゆる「差別」および反差別運動に関連して、二つのレイシズムと二つの
反レイシズムを見出し、そこから、同一性と差異、普遍性と多様性について
深く考えてみる。フェミニズムをめぐる議論や、ナショナリズムをめぐる議
論にも一石を投じることになるはずだ。


第13回2012/01/14 文化(1): 美とは何か、あるいは趣味は争えるか
- (財)修養団「向上」注文原稿・抜粋 【履修者限定】
- 講義メモ(PDF)
現代美術はなぜ「分かりにくい」のだろう?「分からない」のはセンスがな
いからか?そもそも「分かる」とはどういうことか?美は客観的なものか、
主観的なものか、美を捉えるのは理性なのか、感覚なのか、美的感動は何に
由来するのかといった思索を通して、個人を殺さずに個人を超える共生への
ヒントを探る。


第14回2012/01/19 文化(2): 宗教、あるいは超越性の問題
近代が脱宗教のプロセスであるとすれば、現代社会と宗教の関係はどう推移
するのか? 近代のプロセスを先鋭的に生きている存在としての現代人にと
って、超越的価値 ― 自分の生命を超える価値 ― はあるのか否か、もしあ
るとしたらそれは何なのかを問う。



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