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知識産業マネジメント

お知らせ


科目名知識産業マネジメント [ シラバス ]


著者の知的財産をマネジメントし、商品として出版物に加工し、読者へ手渡すのが出版社の仕事です。編集者は、著者の意向、想定される読者、出版社の戦略、などを総合的に判断し、著者と緊密なやりとりをすることによって、著作物の内容はもちろんのこと、装幀、部数、印税(原稿料)、広告までをふくめた出版物の最終形を探りながら著者に伴走し、完成形をめざします。しかし、電子書籍などの新たなデバイスの登場によって、出版社や印刷所、取次などを介さずとも著作物を「流通」させることが可能となり、出版社に所属する編集者の役割は今後大きく変質してゆく可能性があります。日本の出版界に求められる新たなシステムと、期待される新しい編集者像を考えます。


担当者 松家 仁之
授業期間2013年秋学期 水曜日4時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


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第01回2013/09/25 日本の出版社の構造と問題点
- 講義資料(PDF)
出版社はつねに、個人が始める小さな会社としてスタートしてきた。いまで
もオーナー経営者が少なくない日本の出版社は、そもそもの成立事情として
「スモール・ビジネス」であった、ということを見てゆく。そして電子書籍
の登場によって出版界の構造はどのように変化してゆくのだろう。本講義で
とりあげる諸問題を提示する。

第02回2013/10/02 十人十色の編集者
- 講義資料(PDF)
テーマを与えて能動的に働きかける編集者、ひたすら伴走するパートナー型
編集者、名雑誌の舞台裏にいた編集者……著名な書き手、著名な雑誌の背後
につねに存在していた編集者群像を取り上げ、編集者に求められる資質の多
様性を検証する。

第03回2013/10/09 時代、国柄によっても変化する編集者の役割
- 講義資料(PDF)
日本では高度経済成長とともに雑誌のグラフ化、テーマの細分化が進み、編
集者の職能も多様化した。一方、欧米の出版社は、雑誌を持たず、書籍編集
者が月刊誌の編集者になることは滅多にない(雑誌は雑誌社が刊行する)。
編集者の役割を、時間軸、世界地図の上にのせて鳥瞰してみる。

第04回2013/10/23 印税、原稿料、契約
- 知識産業マネジメント第4回
日本の出版社で契約書が取り交わされるようになったのはごく最近のことで
ある。雑誌の原稿料もあらかじめ決められた額が著者に伝えられるのが主流
で、ほとんど交渉の余地はない。しかし電子書籍の登場によって、印税の考
え方も大きく変化しつつある。著者の経済、出版社の経済を考える。

第05回2013/10/30 再販制度
- 講義資料(PDF)
日本においては、書籍・雑誌、新聞、音楽ソフトは、再販制度によって定価
販売が認められているが、アメリカ、イギリスなどでは再販制度は撤廃され
ている。再販制度維持、再販制度撤廃のそれぞれの主張を、知的財産の見地
から検証する。

第06回2013/11/06 リテラリー・エージェントの歴史と役割
- 講義資料(PDF)
リテラリー・エージェント(著作権代理人)は、プロのスポーツ選手、俳優
などが代理人を持っているのと同じように、著者にとっても対外的な交渉に
欠かせない存在である。欧米で発展したエージェントの役割について考え
る。

第07回2013/11/13 欧米の出版界のシステムと編集者/欧米の出版社における契約の概念
- 講義資料(PDF)
フランクフルトやロンドンで行われるブックフェアを軸に、春夏秋冬でライ
ンナップを決定、書店や読者への前倒しのインフォメーションを充実させ、
海外版権も積極的に販売、オーサー・ツアーなどのプロモーションにも力を
入れている実態を見ながら、そのシステムのなかにおける編集者の役割とは
何かを見てゆく。
第4回で見てきた日本の出版社における契約の概念と、欧米の出版社におけ
る契約の概念の違いはどこからやって来るのか。アドヴァンス(前払い金)
や契約期限、印税率や副次権の設定などを概観し、著者と出版社の力学の違
いにも焦点をあててゆく。

第08回2013/11/27 リテラリー・エージェントの実際
- 講義資料(PDF)
リテラリー・エージェントは伝統によって、あるいはジャンルによって、抱
える著者の顔ぶれによって、それぞれ特色を打ち出している。事実上ひとり
で運営しているもの、大きな組織になっているものなど規模も多様である。
実例で見てゆく。

第09回2013/12/04 日本の出版界でリテラリー・エージェントは成立するだろうか
- 講義資料(PDF)
海外版権を扱っている日本のコ・エージェント(co-agent)がごく一部の日
本の著者の代理人を務めたり、また既成作家以外の新人の書き手を中心にエ
ージェント業を始める動きも出ているが、まだ定着しているとは言い難い。
日本の出版界におけるリテラリー・エージェントの成立の可能性を考える。

第10回2013/12/11 日本人作家の海外進出とリテラリー・エージェント
- 講義資料(PDF)
川端康成、谷崎潤一郎、三島由紀夫、安部公房らの作品が翻訳されてきた歴
史と、村上春樹作品が欧米で翻訳され受容されている現在とでは、規模と浸
透度に大きな隔たりがある。ニューヨークの最大手のエージェント会社IC
Mと、ICMのなかで個人営業的に活躍するアマンダ・アーバンの仕事を取
り上げながら、日本人作家の海外進出に果たすリテラリー・エージェントの
役割を考える。

第11回2013/12/18 インターネットの時代にもとめられる稀少性
- 講義資料(PDF)
インターネットは、かならずしも広範囲にわたって潤沢に読者を獲得するた
めだけのシステムではない。たとえば「ロングテール現象」は、そもそも
「スモール・ビジネス」としての出版界にとって、あらたな可能性をひらく
ものであるはずだ。この時代に知的財産をどのように加工し届けるべきかを
あらためて考える。

第12回2013/12/25 新たに求められる出版社のかたち、新たな編集者像を考える
- 講義資料(PDF)
出版界の再編がすでに始まっている。印刷所、書店、商社などの新しい動き
を探りながら、日本の出版界の未来像を考える。また、リテラリー・エージ
ェントが隆盛し、ニューメディアでの新展開が広がる出版界が近未来のスタ
イルだとしたら、編集者はこれからどのような能力が求められてゆくのだろ
う。

第13回2014/01/08 現役編集者が語る実感的な出版界の現在と未来
どれだけ立派な未来像を描くことができても、現場の実情を抜きにして改革
はのぞめない。大手出版社の第一線で活躍する編集者をゲストスピーカーに
迎えて、これまでの講義をふまえながら、現場の声を聞き、将来への展望を
語ってもらいます。

第14回 まとめと質疑応答
この講義で議論したあらゆる問題について、あるいは議論されなかった問題
について、履修者からの質問、提案に答えます。


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