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開発とローカリズム

お知らせ


科目名開発とローカリズム [ シラバス ]


 本科目では、開発の理論と実践をローカルな<現場>に即して読み解き、当該地域にとって望ましい発展のあり方を探求する。具体的には、開発をめぐる様々な理論・思想を概観したのち、これまでの開発の負の側面、特に公害と原発問題を省察し、望ましい地域社会の発展について考える。また、クールごとに設定したテーマについて受講生を交えて議論する。


担当者 山本 純一
授業期間2014年春学期 木曜日4時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


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第01回2014/04/10 オリエンテーション、なぜ「開発とローカリズム」なのか
- 第1回講義資料(PPT)
本科目の目的・授業計画を紹介し、「開発」の起源とその意味、開発問
題とともに生み出された「低開発」「第三世界」という概念(言説)に
ついて考察したのち、現在の政治経済社会文化的潮流と言える新自由主
義の功罪を踏まえ、100年に一度といわれる経済危機の中にあってなぜ
地域(ローカル)の力が求められているのかを議論する。

課題文献(宿題として読んでおくこと):
内橋克人(2005)「日本「構造改革」論の虚実―ラテン・アメリカを既
視感として」
佐野誠(2005)「「失われた10年」を超えて―ラテン・アメリカの教
訓」
※いずれも内橋克人・佐野誠編(2005)『ラテン・アメリカは警告する
―「構造改革」日本の末来』新評論に所収
鈴木紀(2001)「開発問題の考え方」菊池京子編『開発学を学ぶ人のた
めに』世界思想社
山本純一(2006)「連帯経済―人間中心の経済の再生をめざして」『月
刊オルタ』2006年2月号
――――(2005)「連帯経済の構築と共同体の構造転換―メキシコ最貧
困州チアパスの経験から」内橋克人・佐野誠編『ラテン・アメリカは警
告する―「構造改革」日本の末来』新評論

参考文献:
Escobar, Arturo (1995), Encountering Development: The Making 
and Unmakig of the Third World, Princeton: Princeton University 
Press.
北野収(2008)『南部メキシコの内発的発展とNGO―グローカル公共空間
における学び・組織化・対抗運動』勁草書房
ヴォルフガング・ザックス編(1996)『脱「開発」の時代―現代社会を
解読するキイワード辞典』晶文社(とくにG・エステバ「開発」の章)
M・フリードマン(1984)『政府からの自由』(西山千明監修、土屋政
雄訳)中央公論社
金子勝(1999)『反グローバリズム――市場改革の戦略的思考』岩波書
店
―――(1999)『反経済学――市場主義的リベラリズムの限界』新書館
F・ハイエク(1986)『市場・知識・自由―自由主義の経済思想』ミネ
ルヴァ書房
D・ハーヴェイ(2007)『新自由主義―その歴史的展開と現在』(渡辺治
監訳)作品社
クライン、ナオミ(2011)『ショック・ドクトリン(上)(下)―惨事
便乗型資本主義の正体を暴く』岩波書店


第02回2014/04/17 我々は今、どのような時代を生きているのか:近代化論と再帰的近代化
- 第2回講義資料(PPT)
開発は好むと好まざるとにかかわらず近代化を志向する。その近代化と
は何か、そして「後期近代化」とも「ハイモダン」とも言える再帰的近
代化に関する議論を概観する。

参考文献:
富永健一(1996)『近代化の理論――近代化における西洋と東洋』講談
社学術文庫
ウルリッヒ・ベック、スコット・ラッシュ、アンソニー・ギデンズ
(1997)『再帰的近代化―近現代における政治、伝統、美的原理』而立
書房


第03回2014/04/24 内発的発展論
- 第3回講義資料(PPT) 【履修者限定】
柳田国男と南方熊楠の思想に大きく影響を受けるとともに、水俣に学
び、近代化論を乗り越えようとした鶴見和子の「内発的発展論」の意義
とそれに対する批判を紹介する。

参考文献:
鶴見和子(1996)『内発的発展論の展開』筑摩書房
――――(1999)『コレクション鶴見和子曼荼羅IX 環の巻 内発的発
展論によるパラダイム転換』藤原書店
ビデオ『回生 鶴見和子の遺言 全2巻』藤原書店


第04回2014/05/01 ポスト開発論 ※グループワークかレポートかの選択締切(この回までにグループワークと期末レポートのどちらにするか決めて授業スタッフに伝えること)
- 第4回講義資料(PPT)
開発主義・経済成長至上主義からの脱却をめざす「サブシステンス論」
と「脱成長論」を紹介する。

参考文献:
郭洋春ほか(2005)『環境平和学―サブシステンスの危機にどう立ち向
かうか』法律文化社
岡本三夫・横山正樹編(1999)『平和学の現在』法律文化社
郭洋春ほか(2004)『脱「開発」へのサブシステンス論―環境を平和学
する! 2』法律文化社
H・ノーバーグ・ホッジ(2003)『ラダック 懐かしい未来』(『懐か
しい未来』翻訳委員会訳)山と渓谷社
セルジュ・ラトゥーシュ(2010)『経済成長なき社会発展は可能か?―
<脱成長>と<ポスト開発>の経済学』(中野佳裕訳)、作品社


第05回2014/05/08 第1クールの小括
 受講生が提出したリアクションペーパーをもとにして、第1回〜第4回の授
業に対する質疑応答とディスカッションを行う。受講生はあらかじめ指定の
課題文献を熟読しておくこと。


第06回2014/05/15 「公害」を考える
- 講義資料「公害」を考える(PPT)
- ラテンアメリカは警告する(抜粋)(PDF) 【履修者限定】
- 開発問題の考え方(PDF) 【履修者限定】
- 連帯経済-人間中心の経済の再生をめざして(PDF) 【履修者限定】
 「公害」が国家権力と私企業の癒着の結果としての「私害」「国家犯罪」
であることをその私財・人生を投げ打って告発した田中正造と、「水俣病」
の患者に寄り添い、その原因究明と解決に半生を捧げた原田正純の生き方・
思想を学ぶ。

参考文献:
 原田正純(1972)『水俣病』岩波新書
 原田正純(2007)『豊かさと棄民たち―水俣学事始め(双書時代のカル
テ)』岩波書店
 原田正純(2009)『宝子たち―胎児性水俣病に学んだ50年』弦書房
林竹二(1976)『田中正造の生涯』講談社現代新書


第07回2014/05/22 松下竜一「暗闇の思想」に学ぶ
- 第7回講義資料(PPT)
火力発電所と原子力発電所の建設に反対した市井の作家・松下竜一の
「暗闇の思想」を紹介し、その生き方・思想から、どうしたら社会を変
えることができるのかを学ぶ。

参考文献:
小出裕章・佐高信(2012)『原発と日本人―自分を売らない思想』角川
新書
開沼博(2011)『「フクシマ」論―原子力ムラはなぜ生まれたのか』青
土社
斎藤貴男(2012)『「東京電力」研究―排除の系譜』講談社
高橋哲哉(2012)『犠牲のシステム―福島・沖縄』集英社新書
松下竜一(2012)『暗闇に耐える思想―松下竜一講演録』花乱社選書
松下竜一(2012)『暗闇の思想を/明神の小さな海岸にて』影書房


第08回2014/06/05 高木仁三郎「市民科学者として生きる」に学ぶ
- 第8回講義資料(PPT)
原子力の専門家で、原発の危険性を訴え続けた市民科学者・高木仁三郎
の人生・思想を紹介し、その生き方・思想を学ぶ。
参考文献:
 高木仁三郎(2003)『高木仁三郎著作集6 核の時代/エネルギー』
七つ森書館
 高木仁三郎(2003)『高木仁三郎著作集7 市民科学者として生きる
』七つ森書館
 高木仁三郎(2003)『高木仁三郎著作集8 市民科学者として生きる
』七つ森書館
 高木仁三郎(2003)『高木仁三郎著作集9 市民科学者として生きる
』七つ森書館


第09回2014/06/12 地域開発を考える(1)青森六ヶ所村をめぐる開発計画
- 第9回講義資料(PPT) 【履修者限定】
六ヶ所村を事例として、日本のポスト戦後社会(1970年代後半〜現在)にお
ける地域開発の問題を考える。
参考映像:
 鎌仲ひとみ監督(2006)「六ヶ所村ラプソディー」
参考文献:
 吉見俊哉(2009)『ポスト戦後社会』岩波新書
 島田恵(2001)『六ヶ所村――核燃基地のある村と人々』高文研
 小出裕章・渡辺満久・明石昇二郎(2012)『「最悪」の核施設 六ヶ所再
処理工場』集英社新書


第10回2014/06/19 地域開発を考える(2)特別講演「六ヶ所村から」菊川慶子氏
 映画「六ヶ所村ラプソディー」に出演された、同村在住で「花とハーブの
里」を主宰されている菊川慶子さんをお迎えして、「六ヶ所村」でのお仕事
や運動の過去・現在・未来について語っていただきます。菊川さんは反核燃
運動だけでなく、自然農法、地域通貨、カフェの運営にも携わっておられま
す。


第11回2014/06/26 地域開発を考える(3)特別講演「ブラジルの社会的自由主義」小池洋一氏(予定)
- 講義資料(ワード)小池洋一先生
- 講義資料(PPT)小池洋一先生
ワールドカップやオリンピックの開催で注目されているブラジルであるが、
そ
のようなイベントよりも貧困対策に力を入れるべきとの反対運動も盛り上
がっ
ている。このような「光と影」をもつブラジルの現在の政策は、自由主義
(資
本主義)を基本としながらも、その問題を是正しようとするSocial
Liberalismに基づくものと考えられる。格差社会と言われる日本の現状をふ
ま
え、ブラジルの専門家をお招きして、その経験から学ぶべきことを考えたい
と
思う。

参考文献
小池洋一(2014)『社会的自由主義国家:ブラジルの第3の道』新評論


第12回2014/07/03 第2クールの小括 ※期末レポート(選択者)の提出締切
受講生が提出したリアクションペーパーをもとにして、第6回〜第11回
の授業に対する質疑応答とディスカッションを行う。受講生はあらかじ
め指定の課題文献を熟読しておくこと。



第13回2014/07/10 グループワーク「望ましい地域社会の発展とは」 ※授業改善案の提出締切
本科目の総括として、標記テーマ(サブタイトルを自由に設定)につい
てグループごとにプレゼンテーションを行い、質疑応答・ディスカッシ
ョンをする。


第14回2014/07/17 優秀期末レポートのプレゼン *書評の提出締切
期末レポートの中から、優秀なものを選び、優秀者がプレゼンテーショ
ンを行う



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