KGC


Keio University Shonan Fujisawa Campus
Course Summary (Syllabus)


GLOBAL GOVERNANCE (Toshiyuki Kagawa

    Semester : 2008 Fall
    Code : 04080 / 2 Credits


1. Objectives/Teaching method

    本講義では、「問題発見」(=現状に対する認識)から「問題解決」(=設定された目標と得られた現状認識との乖離を解消するための選択的な方策)へという公共政策・経営(法人企業経営を含む)に関わる多様な主体とそれらの間の新しい関係を方向づける議論としてのガバナンス論を取り上げます。
    ガバナンスには、ミクロのセルフ・ガバナンス(自己管理)からグローバル・ガバナンス(地球的協治)まで多次元の諸相がありますが、国家中心の国際社会からさまざまなアクターがグローバルに繰り広げる相互作用について考え、身につけるべく視点や発想、知識を理解することを目標とします。
    ガバナンス論において、特にグローバルな観点から議論する場をグローバルガバナンス(GG)といいます。グローバルガバナンス(GG)には、多次元の諸相があるが、ここでは、グローバルガバナンス(GG)論の展開から拡大EUに見られるような政策の移転・普及を通じたリージョナルガバナンス(RG)と地域変容の実際まで、領域国家内での政策課題と領域国家を超えてさまざまな主体が国際開発・地球環境環・安全保障などのグローバルな課題を国際環境の中で解決しようとするときにおける非政府組織を含めた様々な政策コミュニティーと政策課題別ネットワークによるガバナンスのネットワーク形成について「先端発見」を試みようと思います。


2. Materials/Reading List

    特にテクストは使用しない予定ですが、<基本文献>と<推奨文献>の一部を挙げておきましょう。その他の文献については、講義の進行に伴い、必要に応じて紹介します。
    <基本文献(例)>
    山本吉宣.国際レジームとガバナンス.有斐閣,2008,450p.
    山田高敬・大矢根聡編.グローバル社会の国際関係論.初版.東京,有斐閣,279p.(ISBN4-641-17325-7)
    横田洋三・大芝亮・総合研究開発機構編.グローバル・ガバナンス−「新たな脅威」と国連・アメリカ−.初版.東京、日本経済評論社,334p.(ISBN4-8188-1827-5)
    ゴールドスミス,スティーブン/ウィリアム・D・エッガース著.ネットワークによるガバナンス−公共セクターの新しいかたち−.初版.東京,学陽書房,2006.245p.(ISBN4-313-16110-4)
    ナイ,ジョセフ・S/ジョン・D・ドナヒュー編著.グローバル化で世界は同変わるか.第1版.東京,英治出版,2004.475p.(ISBN4-901234-51-X)
    神野直彦・澤井安勇編著.ソーシャル・ガバナンス:新しい分権・市民社会の構図.第1版.東京,東洋経済新報社,2004,261p.(ISBN4-492-21143-8)
    岩崎正洋・佐川泰弘・田中信弘編著.政策とガバナンス.第1版.東京,東海大学出版会,2003,229p.(ISBN4-486-01612-2)
    福田耕治.国際行政学−国際公益と国際公共政策−.初版.東京,有斐閣,2003,273p.(有斐閣ブックス,ISBN4-641-08686-9)
    <推奨文献(例)>
    遠藤乾.グローバル・ガバナンスの最前線.東信堂,2008,252p.
    カルドー,メアリー.グローバル市民社会論.法政大学出版局,2007,276p.河野勝編.制度からガヴァナンスへ:社会科学における知の交差.初版.東京,東京大学出版会,2006,vi+255p.(ISBN4-13-036225-9)
    藪野祐三.ローカル・デモクラシーII:公共という政治的仕組み.初版.京都,法律文化社,2005,229+6p.(ISBN4-589-02890-5)
    藪野祐三.ローカル・デモクラシーI:分権という政治的仕掛け.初版.京都,法律文化社,2005,229+6p.(ISBN4-589-02805-0)
    レイプハルト,アレンド.民主主義対民主主義:多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究.第1版,東京,勁草書房,2005,xiii+282p.(ISBN4-326-30158-9)
    市川顕・香川敏幸共著「環境問題をめぐる地域協力−マルチレベル・ガバナンスの有効性」.広島大学経済学部附属地域経済システム研究センター紀要『地域経済研究』.第16号.2005年3月,pp.77-99.
    ヘルド,デヴィッド.グローバル社会民主政の展望:経済・政治・法のフロンティア.第1刷,東京,日本経済評論社,2005,258+xxivp.(ISBN4-8188-1730-9)
    香川敏幸・市川顕・杤尾圭亮著「自治体を中心とした地域連携−欧州を事例として−」.広島大学経済学部附属地域経済システム研究センター紀要『地域経済研究』.第15号.2004年3月,pp.61-77.
    岡部光明編.市場・リスク・持続可能性.第1版.東京.慶應義塾大学出版会,2003年.(総合政策学の最先端,第鬼,ISBN4-7664-1023-8)
    香川敏幸・市川顕著「自然災害と地方政府のガバナンス−1997年オーデル川大洪水の事例-」.21世紀COEプログラム・総合政策学ワーキングペーパーシリーズNo.5.2003年12月,31p.(ISSN1348-8317)
    スペス,ジェームズ・G著.地球環境危機を前に市民は何をなすべきか−レッド・スカイ・アット・モーニング.東京,中央法規,2004,293p.(ISBN4-8058-4560-0)
    武智秀之編著.福祉国家のガヴァナンス.講座福祉国家のゆくえ第3巻.初版.京都,ミネルヴァ書房,2003,266+3p.(ISBN4-623-03772-X)
    ヘルド,デヴィッド.デモクラシーと世界秩序−地球市民の政治学−.初版.東京,NTT出版,2002,366p.(ISBN4-7571-4048-7 C0031 )
    慶應義塾大学湘南藤沢学会編〔2002〕『ガバナンス論の現在』Keio SFC Journal, Vol. 1, No. 1, 2002年6月
    佐伯啓思著[2001]『国家についての考察』(飛鳥新社)第3章「戦後民主主義という擬装」および第4章「国家をどう理解するか」pp.178-255.
    渡辺昭夫・土山實男編〔2001〕『グローバル・ガヴァナンス:政府なき秩序の模索』東京大学出版会
    イェーガー、ティモシー・J.著〔2001〕『新制度派経済学入門:制度・移行経済・経済開発』(青山繁訳、東洋経済新報社)第6章「制度の創造者としての国家組織」pp.73-89.
    ウォレス、W.V.、W・クラーク著[1990]『ソ連・東欧諸国の選択―変革の嵐はなぜ起こったか』箱木真澄・香川敏幸訳、文眞堂
    岡崎哲二著[1995]「日本におけるコーポレートガバナンスの発展:歴史的パースペクティブ」青木昌彦、ロナルド・ドーア編『国際・学術研究 システムとしての日本企業』第13章、NTT出版、pp.437−484
    金丸輝男編[1996]『ヨーロッパ統合の政治史』有斐閣
    鴨武彦著[1995]『国際統合理論の研究』早稲田大学出版部
    下河辺淳監修・香西泰編[2000]『ボランタリー経済学への招待』実業之日本社
    ショー, M.著[1997] 『グローバル社会と国際政治』高屋定国・松尾眞訳、ミネルヴァ書房
    田口富久治稿[1996]「D・ヘルドのコスモポリタン民主主義論」『立命館法学』、No.245
    __________・鈴木一人著[1997]『グローバリゼーションと国民国家』青木書店
    中村政則著[1993]『経済発展と民主主義』岩波書店
    細野助博著[2000]『スマートコミュニティ:都市の再生から日本の再生へ』中央大学出版部
    山本吉宣稿[]「国際レジーム論―政府なき統治を求めて」『国際法外交雑誌』第95巻第1号、pp.1-53
    「EU拡大に向けた欧州委員会の報告書「アジェンダ21」第3部」[1997]『世界週報』、1997、10・7、10・14、10・21各号
    海外経済協力基金開発援助研究所[1997]『開発援助研究』vol.4,No.1
    京都フォーラム監訳・編集[1995]『地球リ−ダーシップ:新しい世界秩序を目指して』(NHK出版、本書は以下の国連グローバル・ガバナンス委員会報告の邦訳である。Shiridath S. Ramphal and Ingvar Carlsson, Our Global Neighbourhood: The Report of the Commission on Global Governance, New York: Oxford University Press.また、英文テキストは次のURLからダウロードできる。http://www.cgg.ch/contents.htm)
    国際協力事業団[1995]『参加型開発と良い統治・分野別援助研究会報告書』1995年3月
    世界銀行[1997]『世界開発報告・1997−変化する世界における国家の役割』東洋経済新報社
    <外国語文献>
    Kjaer, Ann Mette. Governance. 1st.ed. Cambridge and Malden. Polity Press, 2004. 240p. (ISBN 0-7456-2979-2)
    Busumtwi-sam, James and Laurent Dbuzinskis. Turbulence and new directions in global political economy. 1st ed. Hampshire, Palgrave Macmillan, 2003, 234p. (International political economy series). (ISBN1-4039-0362-X)
    Koenig-Archibugi, ‘Mapping Global Governance,’ in Held, David and Anthony McGgrew, Eds., Governing Globalization. 1st ed. Cambridge, Polity Press, 2002, pp.46-69. (ISBN 0-7456-2734-X)
    Rosenau, James, N., ‘Governance in a New Global Order,’ in Held, David and Anthony McGgrew, Eds., Governing Globalization. 1st ed. Cambridge, Polity Press, 2002, pp.70-86. (ISBN 0-7456-2734-X)
    Connolly, Barbara, et al.,[1996]“Organization Inertia and Environmental assistance to Eastern Europe”, in Robert Keohane and Marc A. Levy, eds., Institutions for Environmental Aid, Cambridge: The MIT Press.
    Rosenau, James N. and Ernst-Otto Czempiel, eds.[1992] Governance Without Government: Order and Change in World Politics, Cambridge: Cambridge University Press(特に、Chapter 1: James N. Rosenau, “Governance, Order, and Change in World Politics”, pp.1-29.およびChapter 9: Ernst-Otto Czempiel, “Governance and Democratization”, pp.250-271.参照)
    Young, Oran R.[1994] International Governance: Protecting the Environment in a Stateless Society, Ithaca: Cornell University Press.
    Young, _______., ed.[1997]Global Governance: Drawing Insights from the Environmental Experience, Cambridge: The MIT Press.


3. SCHEDULE

    #1 [9月30日]〔概観と序論〕
    授業を始めるにあたって: 授業概要の紹介、問題の所在、基本的な考え方。
    国際関係論、国際政治学、国際政治経済学など、既存の領域に対する新しい視点と認識、そして知見を得るアプローチとして、現実世界の激動や複雑性などを背景に、グローバルガバナンスの意義を中心に講義する。

    #2 [10月7日]〔.ガバナンス論の理論的展開 
    ガバナンス論の理論的展開1〜「グローバル・ガバナンスの理論:国際政治経済論・国際関係論からの射程」〜
    グローバルガバナンスとは何か、それをどのように捉えればよいのか、国際政治経済論の視点から概説し、とくに国際レジームとガバナンスについて国際レジーム論のアプローチを中心にガバナンスを考える。(基本文献:山本吉宣.国際レジームとガバナンス.有斐閣,2008の「序章」pp.1-29.および「第6章」pp.168-184.を参照のこと。また山田高敬・大矢根聡『グローバル社会の国際関係論』有斐閣,2006も国際関係論の入門書として必読書のひとつである。)

    #3 [10月14日]〔機ゥバナンス論の理論的展開◆
    ガバナンス論の理論的展開2〜ローズノー(James N. Rosenau)の議論〜:
    ローズノーは、ガバナンスをガバメントと明確に峻別する。リアリストのアナーキー概念に異を唱え、もはや政府はガバナンスの十分条件でも必要条件でもないとする。ローズノーはガバナンスを「秩序プラス意図」とし、秩序維持のために複数のアクターが意識的に模索する過程を重視した。

    #4 [10月21日]〔機ゥバナンス論の理論的展開〕
    ガバナンス論の理論的展開3〜ヤング(Oran R. Young)の議論〜:
    ヤングのアプローチは、レジーム論を発展させたガバナンス・システムというアプローチである。ここでは、戦後の国際機構論の流れを概観し、静態的な国際機構論、動態的な国際機構論(地域統合論)、イッシュー別の機構論(レジーム論)、複数レジームの相互関連性を踏まえたシステムとしてのガバナンス論へと発展していく様子を見ていく。

    #5 [10月28日]〔機ゥバナンス論の理論的展開ぁ
    ガバナンス論の理論的展開4〜グローバル・ガバナンス委員会の議論〜:
    グローバル・ガバナンス委員会はブラント元西ドイツ首相の呼びかけで1992年に創設された委員会で、メンバーは26名である。ジャック・ドロールや緒方貞子などが参加している。このアプローチは、実践性、市民性、規範性を特徴としている。ここでは実務家中心のメンバーによる規範的アプローチを概観する。

    #6 [11月4日]〔供ゥバナンス論の現在 
    開発とグローバルガバナンス:
    国際機関を中心として90年代に盛んに用いられるようになった「ガバナンス」概念を整理する。世界銀行、USAID(米・国際開発庁)、米州開発銀行(IDB)、UNDP(国連開発計画)等のガバナンスの定義を整理するとともに、相手国の「グッド・ガバナンス」促進のための開発について論ずる。
    注:授業後にプロポーザルを提出してください。

    #7 [11月11日]〔供ゥバナンス論の現在◆
    地方自治(ローカルガバナンス)とグロバルガバナンス:
    新潟県巻町の住民投票に代表されるように、地方自治と国家の政策運営が齟齬をきたす場面がある。このような問題について、参加型民主主義をガバナンスの観点から整理する。た、首都圏連合のような広域行政、道州制など、地方行政制度についても触れたい。
    受講者にも、事前に、住民投票条例および住民投票実施例を調べ、その結果を授業の中で紹介してもらう。

    #8 [11月18日]〔供ゥバナンス論の現在〕
    民主主義とグローバルガバナンス:
    グローバリゼーションの進行にともない、民主主義は大きな挑戦を受けている。「ナショナル・デモクラシー」が、一方で民衆のローカルで多様な要求に、他方で地球大に拡大した多様な問題群に、十分な対応がとれなくなっている。このような民主主義の閉塞を解決する概念としてヘルド(D. Held)のコスモポリタン民主主義を概観する。
    注:授業後に中間ペーパーを提出してください。

    #9 [12月2日]〔掘ゥ哀蹇璽丱襯バナンスの新しいかたち 
    グローバルガバナンスの新しいかたち1〜多層的なガバナンスについて〜:
    ポリシー・サイクルからポリシー・インテグレーションへ、現在進行しているガバナンス型地域統合の実際について概観する。

    #10 [12月9日]〔掘ゥ哀蹇璽丱襯バナンスの新しいかたち◆
    グローバルガバナンスの新しいかたち2〜体制移行・転換とヨーロッパ化のガバナンス〜:
    89年東欧革命後、東欧諸国が直面した政治的・経済的移行(デュアル・トランジション)の困難さについて、とくに欧州統合の視点から論じる。

    #11 [12月16日]〔掘ゥ哀蹇璽丱襯バナンスの新しいかたち〕
    グローバルガバナンスの新しいかたち3〜環境ガバナンスについて〜:
    ポリシー・ネットワーク、ローカル・アジェンダなど、政策を中心とする様々な行為主体間のパートナーシップを考える。

    #12 [2009年1月 6日]〔検ゥ僖優襦Ε妊スカッション 
    パネル・ディスカッション(機法С謄僖優襪離廛蹈檗璽競襪糧表

    #13 [2008年1月20日]〔検ゥ僖優襦Ε妊スカッション◆
    パネル・ディスカッション(供法Ш能発表と討論
    注:授業後に最終ペーパーを提出してください。


4. Assignments/Examination/Grad Eval.

    <アサインメントの提出など>
    課題:「各自の関心領域の研究を、グローバルガバナンス(GG)論の視点から整理してみましょう。」
    次の作業工程と日程に従って提出して下さい。提出形式は、特に指定がないかぎり、用紙はA4とします。なお原則として文章はMS-WORD(98以降のバージョンが望ましい)か、HTML、PDF、またはLaTeXで作成してください。
    機ゥ廛蹈檗璽競襦
    A4用紙2枚以内で、研究題目・概要・方法・期待される成果・参考文献(資料)・主題と内容に関するキーワードなどを列記して下さい。
    提出日は、第5週[10月28日]です。

    供ッ羇屮據璽僉次
    プロポーザルの内容を、より深く掘り下げたペーパーです。最終ペーパーの70%ほどの完成度を必要とします。
    A4用紙3枚以内で、研究題目・概要・方法・期待される成果・参考文献(資料)・主題と内容に関するキーワードなどを列記して下さい。
    提出日は、第9週[12月2日]です。

    掘ズ能ペーパー:
    A4用紙5枚まで(図表や資料を含めず)とします。
    提出日は、第13週[2008年1月20日]とし、授業終了時に担当者に直接提出して下さい。期限の延長は、原則として認めません。

    検ゥ僖優襦Ε妊スカッション:
    プロポーザルの提出後に、興味関心の近い学生を複数の小グループにグルーピングして、パネルを編成します。
    グループは、第12週および第13週の2回にわたって行われるパネル・ディスカッションの準備に入ってください。テーマ・手法などは自由です。
    2006年度のテーマは、「企業とグローバルガバナンス」、「国際協力とグローバルガバナンス」でした。
    パネル・ディスカッションの企画書(A4・1枚、パネリスト、アジェンダ、アウトライン)を予め提出し、当日はレジュメ(A4・2枚程度)を用意し、終了後1週間以内にミニュット(議事録)を提出してください。
    V.その他:第7回[11月11日]には、住民投票条例および住民投票実施例についてクラスで発表してもらいます。


5. Special Note

    出席を重視し、授業内容に関する質問を歓迎します。


6. Prerequisit / Related courses

    -


7. Conditions to take this course

    -


8. Relation with past courses

    -


9. Course URL

    http://更新中のため
    当面

    のURLを参照されたい
    https://vu9.sfc.keio.ac.jp//sfc-sfs/sfs_class/faculty/f_class_top.cgi?yc=2007_25302&id=58e6bc409b1e57969482d31ca5476c49543153586acceba8


2008-08-19 14:44:40.776257


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