KGC


Keio University Shonan Fujisawa Campus
Course Summary (Syllabus)


GLOBAL ENVIRONMENTAL POLITICS (Hironori Hamanaka

    Semester : 2009 Fall
    Code : 65180 / 2 Credits


1. Objectives/Teaching method

     地球温暖化問題などの地球環境問題の解決のためには、国際的に協調した取組が必要であり、国際交渉を通じて京都議定書のような国際制度を構築することが不可欠である。京都議定書は、地球温暖化問題に対する具体的な取組の第一歩となるものであり、その策定と発効にわが国は重要な役割を果たし、同時にその過程で貴重な経験を積んた。京都議定書は2005年に発効し、2008年から目標達成期間に入った。さらに、国際社会は、地球温暖化問題の解決に向けて、京都議定書が定めていない2013年以降の国際制度について本格的な検討に乗り出した。この新たな国際交渉は、地球温暖化問題解決の成否と、わが国及び人類社会の将来に重大な意味を有するものとなろう。
     本授業では、まず地球環境危機という問題の本質は何か、それらの問題と政府の政策や企業・市民の社会・経済活動との関係について理解を深める。次いで、具体的に地球温暖化問題を取り上げ、特に京都議定書の国際交渉過程および京都議定書の実施状況をレビューし、このような経験からどのような教訓を学び、わが国が2013年以降の国際制度を、地球温暖化防止に一層効果があるものとして構築するためにどのような役割を果たすことができるのかを考察する。さらに、地球温暖化防止のために今後長期的にどの程度の削減が必要となるのかを把握しつつ、どのような国内的および国際的削減対策が必要となるのかを考察することを通じ、持続可能な社会に移行する上で地球温暖化問題などの地球環境問題が突きつける挑戦の意味と、それがもたらす人類社会変革の機会について理解することを目指す。


2. Materials/Reading List

    授業中に、適宜授業の内容に関連した資料を配付し、参考文献を示す。
    基本的な参考書は次のとおり。
    ジェームズ・グスタフ・スペス. 地球環境危機を前に市民は何をすべきか レッドスカイ・アット・モーニング. 東京, 中央法規出版, 2004.
    松下和夫. 環境ガバナンス 市民・企業・自治体・政府の役割. 東京, 岩波書店, 2002.
    米本昌平. 地球環境問題とは何か. 東京, 岩波新書, 1994.
    レスター・ブラウン. プランB3.0 人類文明を救うために. 東京, ワールドウォッチジャパン, 2008.
    アル・ゴア. 不都合な真実. 東京, ランダムハウス講談社, 2007
    責任編集 山本良一, Think the Earth Project編.気候変動+2℃.東京, ダイヤモンド社, 2006 
    浜中裕徳.地球温暖化対策の国際制度 −国際交渉の経験と学ぶべき教訓−.資源環境対策、vol. 40, no. 14, p. 101-108, vol. 40, no. 15, p. 114-119, vol. 41, no. 1, p. 143-148, vol. 41, no. 2, p. 108-113.
    浜中裕徳編. 京都議定書をめぐる国際交渉 COP3以降の交渉経緯(改定増補版). 東京, 慶應義塾大学出版会, 2009.
    田邊敏明. 地球温暖化と環境外交 京都会議の攻防とその後の展開. 東京, 時事通信社, 1999.
    S.オーバーテュアー, H.E.オット. 京都議定書 21世紀の国際気候政策. 東京, シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社, 2001.


3. SCHEDULE

    #1 第1回 イントロダクション: 地球環境危機−問題の本質は何か?
    ・講義の概要と進め方、成績評価の方法などの説明。
    ・地球環境危機: 何が問題なのか?
    ・地球環境問題の特徴と性格、「問題群」としての地球環境問題。
    ・問題の本質: 経済的・社会的な原因・背景、政府の政策・企業や市民の行動とのかかわり。
    ・持続可能な消費・生産の実現に必要な政府の政策、企業や市民の行動。

    #2 第2回 地球環境ガバナンス: 国際機構、政府、企業、市民はどのような取組をしてきたのか?
    ・国連人間環境会議(ストックホルム、1972)。
    ・国連環境開発会議(地球サミット、リオデジャネイロ、1992)。
    ・持続可能な開発に関する世界サミット(ヨハネスブルグ、2002)。

    #3 第3回 酸性雨・オゾン層破壊などへの取組: ドイツや米国の先導的役割は何か?
    ・欧州における酸性雨問題への国際的取組。
    ・成層圏オゾン層保護問題への国際的取組。
    ・地球温暖化問題総論:科学者・政治家の先導的役割。

    #4 第4回 地球温暖化の予測と影響:IPCC報告などから何を学ぶのか?
    ・観測と気候モデル、地球温暖化の影響とリスク、および地球温暖化の将来予測に関する科学的知見(気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書に集約された科学的知見など、科学研究の最前線をレビューする)。

    #5 第5回 気候変動枠組条約交渉: 条約交渉から何を学ぶのか?
    ・気候変動枠組条約の交渉過程および条約の主要規定。

    #6 第6回 京都議定書交渉過程: 京都会議に至る交渉から何を学ぶのか?
    ・ベルリン・マンデート:京都議定書交渉の出発点。
    ・京都議定書の交渉過程と主要アクターの役割。
    ・京都議定書の主要規定。

    #7 第7回 京都議定書運用ルール交渉過程: マラケシュ合意に至る交渉から何を学ぶのか?
    ・ブエノスアイレス行動計画:京都会議後の交渉の出発点。
    ・京都議定書運用ルールの交渉過程と主要アクターの役割。
    ・米国の京都議定書離脱とボン・マラケシュ合意。
    ・京都議定書運用ルールの主要な内容。

    #8 第8回 地球温暖化対策の国際制度構築の課題: 京都議定書交渉の教訓を今後の国際制度設計と交渉にどのように活かすのか?
    ・京都議定書およびその運用ルール交渉の経験と教訓。
    ・2013年以降の国際制度の設計と交渉に向けての課題。

    #9 第9回 地球温暖化対策: 各国は対策をどのように進めているのか?
    ・日本、EU、米国、途上国における対策の現状。
    ・地球温暖化対策における経済的手法。
    ・クリーン開発メカニズム(CDM)の動向と課題。
    ・EU-ETSなど排出権取引の動向と課題。

    #10 第10回 ポスト2012年気候レジームの設計: 地球温暖化防止のために究極的に何が必要なのか?
    ・長期的に必要な排出削減と適応の対策:京都議定書の次のステップ。
    ・温室効果ガスの大気中濃度の安定化水準と排出量削減のレベル。
    ・地球規模の参加と衡平性の確保。

    #11 第11回 ポスト2012年気候レジーム: 制度設計の課題は何か(1)
    ・バリ行動計画
    ・日本、EU、米国などの取組の経験と教訓を活かした政策
     ゝ蚕儚発・導入を促進する政策。
     ∋埔譽瓮ニズムを活用する政策。
    ・途上国の対策への参加機会を拡大するための政策

    #12 第12回 ポスト2012年気候レジーム: 制度設計の課題は何か(2)
    ・気候政策の長期的課題。
    ・気候変動への適応政策。
    ・統合評価モデルなどを用いた長期分析シナリオ。
    ・ポスト2012年気候レジームに向けて。

    #13 第13回 まとめ: 持続可能な社会への移行の課題と機会は何か?
    ・持続可能な未来への移行において地球環境問題が突きつける挑戦の意味。
    ・地球環境問題がもたらす人類社会変革の機会。


4. Assignments/Examination/Grad Eval.

    原則として毎回、授業の最後に課題を出すので、レポートを提出すること。また、最終回には授業の内容に関する課題を出すので、期末レポートとして提出すること。成績評価は、毎回のレポートと期末レポートを総合して行う。評価に当たっては、両者を均等に重み付けするので、期末レポートの内容が優れていても、出席が足りない、あるいは毎回のレポートの提出が不足するなどの場合には不合格にすることがある。


5. Special Note

    履修希望者が120名を超える場合には選抜を行うので、第1回授業には必ず出席すること。また、原則として毎回レポート提出を課すのは、授業に出席し、講義を聴いて地球環境問題について自分で考えることを重視しているためであり、成績評価を期末レポートと均等に重み付けして行うことに注意して欲しい。


6. Prerequisit / Related courses

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7. Conditions to take this course

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8. Relation with past courses

    -


9. Course URL


2009-08-29 21:39:55.493845


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