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比較文化C

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科目名比較文化C [ シラバス ]


 グローバリゼーションは経済や金融との関連で語られることが多いが、これに限定される現象ではない。第三の波といわれる世界各地の民主化や、米国を中心的な発信地とする特定の文化の地球規模での伝播もまた、それぞれ政治、文化のグローバリゼーションとよべるであろう。たとえば、ジョージ・リッツア(1999)が提起したマクドナルド化は、人間的技能を人間によらない技術体系に置き換えることによって、効率性、予測可能性、計算可能性、制御の増強を図るという意味では経済的なグローバリゼーションであるが、世界中のどこでも同じ味のマックが食べられる(食べさせられる?)という意味では文化のグローバリゼーション=画一化・均質化といえよう。
 しかしながら、メキシコのマックにはチリ(唐辛子)が入ってメキシカン・マックとなり、日本ではライス・バーガーやキンピラ・バーガーが開発されるように、グローバリゼーションはグローバルなものとローカルなものが節合する過程(glocalization)でもある。これとは逆にローカルなものがグローバルな中心に向かって逆流するような場合もある。米国でも人気のあるsushiのカリフォルニア巻きとか、Tex-Mexの料理(テキサス風メキシコ料理)がその好例である。
 他方、ローカルな文化は国家・国民を統合するための概念=国民文化として構築されることがある。メキシコの混血文化やアルゼンチンのガウチョ(カウボーイ)文化はその典型例である。したがって、グローバリゼーションは画一化や混淆化と同時に、ナショナル(ローカル)な文化やアイデンティティを守るという視点からは、フランスでの英語排斥運動にみられるように、グローバル対ナショナル(ローカル)といった衝突が進行する過程(反グローバリズム)でもある。だがいずれにせよ、グローバリゼーションは、それが近代世界に住む人びとによって共有される結合性の感覚・経験であることは確かかと思われる。
 本科目では、以上のようなグローバリゼーションに対する認識を前提として、グローバル化時代のラテンアメリカ(正確にはラテンアメリカ・カリブ地域)の諸文化・社会・人びとの混淆・節合・対立の諸相を、映像も交えた具体的な事例から読み解く。しかし、ラテンアメリカは日本で一般に考えられている以上に多様であり、グローバリゼーションと対象地域の文化・社会・人びとの関係を網羅的かつ詳細に紹介、分析することは担当者の能力および時間的制約からも不可能である。したがって、典型的と思われる諸相を点描したのち、可能な範囲で総括することを目的とする。
 具体的なスケジュールはシラバスに示すが、1)グローバリゼーションとラテンアメリカ、2)日本とラテンアメリカ、3)米国とラテンアメリカ、の3つのクールに分け、各クールは講義3回、ディスカッション(リアクションペーパーの紹介、グループワークを含む)1回の計4回で構成する。なお、途中1回はゲストによる講演をはさみ、最後のディスカッションは、受講生諸君による授業評価(本授業で学んだこと、本授業に対する改善提案を用意すること)と担当者による講評・最終講義でしめくくる。
 課題は、毎回の講義に対するリアクションペーパー(質問・コメントなど。枚数自由。次回の講義終了時までに提出すること)、参考文献または参考ビデオいずれかに関する書評またはビデオ評1本(枚数自由)、グループワーク、授業改善案レポートである。試験は行なわない。書評の参考例については、スペイン語研究室ウェブサイト(http://www.estudio.sfc.keio.ac.jp)の「ラテンアメリカ書評データベース」を、またWEB上のラテンアメリカ情報については同「インターネットでみるラテンアメリカ情報」を参照されたい。
 なお、講義・発表・質疑応答の使用言語は日本語または英語とする。


担当者 山本 純一
授業期間2003年春学期 木曜日4時限
授業レベル 学部
参考文献 参考文献リスト


授業ビデオとマテリアル
受講したい回をクリックしてください。
第01回2003/04/10 第1クール:グローバリゼーションとラテンアメリカ
- 講義資料(PDF)


第02回2003/04/17 世界史の臨界におけるクレオール主義の可能性
- 講義資料(PDF)


第03回2003/04/24 メキシコ・チアパスからの異議申し立て:サパティスモの可能性と課題
- 講義資料その1(PDF)
- 講義資料その2(PDF)


第04回2003/05/08 第2クール:日本とラテンアメリカ (1)
- 講義資料(PDF)


第05回2003/05/15 第1クールの優秀小レポートの紹介とディスカッション
- 討議資料(PDF)


第06回2003/05/22 出稼ぎ(移民)からデカセギへ−在日ペルー人との身近な共生問題を考える−(ゲストスピーカー:鈴木ヒロシ氏)
- 講義資料(PDF)


第07回2003/05/29 マキラドーラの光と影
- 講義資料(PDF)その2
- 講義資料(PDF)その1


第08回2003/06/05 第3クール:Chicano and Latino Culture in the US: an overview
- 講義資料(PDF)


第09回2003/06/12 チカーノ・アート(ゲストスピーカ:加藤薫氏)
- 講義資料(PDF)


第10回2003/06/19 第2クールの優秀小レポートの紹介とディスカッション(第3クール小レポートの締切)
- 討議資料(PDF)


第12回2003/07/03 第3クールの優秀小レポートの紹介とディスカッション(書評・映画評提出締め切り)
- 配布資料(PDF)


第13回2003/07/10 優秀書評・映画評の紹介と総括
- 討議資料(PDF)



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