政策過程論とは何かを含め、このクラスの狙いを説明する。政策決定や実施 は難しく考える必要はない。日々、受講生諸君も、それを繰り返している。 ここでは、政府レベルを中心とした決定や実施を中心に扱う。最終レポート については、通常のレポートとは異なる点を理解してもらうように説明した い。本年出版の予定の、「政策過程分析有用性の再確認」も用いたい。
巨大組織の末端では、日々、小さな決定と実施が行われている。しかし、必 ずしも、組織が本来、目指した目的に沿って、行われているとは限らない。 その場合、重大事故を含め、思わぬ事態を引き起こすことがある。実際に起 きた二つの事例で、その実態を理解する。
日本の政策過程に関する四つの事例を使って、具体的に、政策過程とはどの ようなものかを、具体的に理解したい。主として政策に関するものをとりあ げるが、事故や災害にに対する対応も、前回に続きとりあげる。
これまでの三回の授業で詳しく説明した政策過程論の目的を踏まえ、実際 に、具体的な政策決定を、ゲームとして行ってもらう予定。
政策過程分析は政治学の一つに位置するが、類似の分析手法として歴史的分 析がある。その違いはどのようなものかは理解しておく必要がある。後半で は、いよいよ、分析の枠組みとしてのモデルについて触れる。ここでいうモ デルというのは、自然科学におけるモデルほど精緻なものではないことは 強調しておく必要があるだろう。
1962年10月、世界を震撼させたキューバ危機が起きた。この事件につ いて、米国政府、ソ連政府に焦点をあてながら、なぜ、ソ連はミサイルをキ ューバに持ち込んだのか、なぜ、米国は海上封鎖で対応したのか、なぜ、最 終的にソ連はミサイルを撤去したのかについて分析したのは、グレアム・ア リソンである。授業では、この回から数回にわたり、彼のモデルを説明す る。まずは、事件の概要を理解するために、NHKスペシャルを鑑賞する。
前回に引き続きアリソンモデル、事件の概要の整理。
前回に引き続きアリソンモデル、特に合理的政策決定モデル、組織過程モデ ル。
前回に引き続き組織過程モデルを、別の事例で確認する。
キューバ危機に戻り、官僚政治モデルを紹介する。ついで、その他のモデル も、紹介する。
最終レポートに参考になる、昨年のレポートを紹介する。 時間があれば、アリソンの第三番目のモデル、官僚政治モデルの 説明に入る。
政策過程は決定と実施の過程からなる。ここでは、いかに、実施が重要かを 具体例で紹介する。